頼むまえに

雨漏りの修理に火災保険は使える?——台風・強風が原因なら対象になり得る、経年劣化はNG。手数料ゼロで自分で申請する正しい手順

公開 2026年7月18日最終更新 2026年7月18日執筆 家の補助金ナビ編集部

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台風が過ぎた数日後、天井にしみが広がってきた——そんなとき、「火災保険で直せますよ」という話を耳にした方も多いと思います。訪問してきた業者からそう言われた方もいるかもしれません。

結論から言うと、台風・強風・雪・ひょうなど自然災害が原因の雨漏りは、火災保険の対象になる可能性があります。多くの火災保険には「風災」の補償が含まれているからです。ただし、経年劣化——古くなって傷んだだけの雨漏りは対象外。そしてこの線引きを悪用した勧誘トラブルが、この10年で急増しています。

この記事では、国民生活センター・消費者庁の公表資料(確認日2026年7月18日)をもとに、使える場合・使えない場合と、手数料ゼロで自分で申請する正しい手順を整理します。

先に結論

✓ ここが要点

自然災害が原因なら、対象になり得る——台風・強風・雪・ひょうによる屋根や外壁の損傷からの雨漏りは、火災保険(風災などの補償)の対象になる可能性があります。 経年劣化は対象外——古くなって傷んだだけの雨漏りには、保険金は下りません。判定するのは業者ではなく保険会社です。 請求は自分で・手数料ゼロ——申請サポート業者に頼む必要はありません。期限は損害から3年です。 順番は「まず保険会社」——修理業者と契約するまえに、加入先の保険会社・代理店に連絡するのが安全な順番です。

使える雨漏り・使えない雨漏り

契約内容で変わりますが、公的機関の資料に共通する目安です。

向いている人

  • 台風・強風で屋根の瓦やスレートがずれた・飛んだことによる雨漏り
  • 雪の重みやひょうで屋根・雨どいが壊れたことによる雨漏り
  • 飛来物(強風で飛んできた物)が屋根や外壁に当たってできた損傷からの雨漏り

向いていない人

  • 経年劣化——防水やコーキング(すき間を埋めるゴム状の材料)が古くなっただけの雨漏り
  • 工事の不良——建てたとき・直したときの工事ミスが原因の雨漏り
  • 損害から3年を過ぎた請求(時効が原則3年のため)

分かれ目は「きっかけが自然災害かどうか」です。「台風の翌日から始まった」「ひょうが降った日に割れた」のように、災害と損害のつながりを説明できるかがポイントになります。判断に迷う場合も、まず保険会社に連絡すれば、調査の要否を含めて案内してもらえます。

「自己負担ゼロで直せます」勧誘の実態

ここからが、この記事でいちばん伝えたい部分です。

「保険金が使える」と勧誘する住宅修理サービスの相談は、国民生活センターの集計で2019年度に2,684件——約10年で24倍に急増しました。相談者の7〜8割が60歳以上で、台風シーズンの秋に増えます

◆ ケースで考える

消費者庁が2024年6月に行政指導を公表した事例(公表資料の再構成)では、手口はこうでした。①電話や訪問で「無料点検」を持ちかける→②先端にカメラの付いた棒で地上から屋根を撮影する→③画像を見せて「雨漏りする」「雪の被害だ」と不安をあおる→④「ご負担金一切無し」と書かれた資料を渡し、消費者自身に保険請求をさせる→⑤ところが実際は経年劣化で、保険金は下りない——。保険金が下りなくても工事契約は残り、解約しようとすると保険金想定額の30〜50%の違約金を求められた事例も公表されています。

! ここに注意

「無料点検」「自己負担ゼロ」「保険が使えるか見てあげる」から始まる話は、その場で契約しないでください。 経年劣化をうその理由(災害のせい)にして請求すれば、契約者本人が保険金の返還や詐欺を疑われる立場になりかねません。「期限が迫っている」と急がせるのも典型トークですが、請求の時効は原則3年——落ち着いてまず保険会社へ。訪問販売で契約してしまった場合も、書面を受け取った日から8日以内ならクーリングオフ(無条件の解約)ができます。

正しい手順:手数料ゼロで、自分で申請する

保険金の請求は、加入者自身でできます。国民生活センターも「申請は契約者自身で簡単にでき、サポート業者は不要」という趣旨の注意喚起をしています。

  1. ① 加入先の保険会社・代理店に連絡する

    「台風のあとから雨漏りしている」と伝える。補償の対象か、必要な書類、自己負担額をここで確認できる

  2. ② 被害の写真を撮る

    室内のしみ・屋根や外壁の損傷を、日付が分かる形で。屋根に登るのは危険なので、地上から撮れる範囲で十分

  3. ③ 修理業者から見積もりを取る

    保険会社への提出用に修理見積書が必要になる。ここで複数社から取っておくと、工事の相場も同時に確かめられる

  4. ④ 保険会社に請求する(手数料ゼロ)

    案内された書類(請求書・見積書・写真など)を自分で提出する。代行手数料を払う必要はない

  5. ⑤ 保険金の確定を見てから、修理を契約する

    「保険金が下りる前提」で先に工事契約をしないこと。下りなかったときに契約だけが残るのが典型トラブル

順番の要は⑤です。保険金の額が確定してから工事を契約する——これだけで、トラブルの大半は避けられます。

保険金が下りなかったら(経年劣化と判定されたら)

経年劣化と判定された場合、その雨漏りは自費修理になります。ただし、確認しておきたいお金のルートがまだあります。

  • 市区町村の一般リフォーム助成——工事費の10%・上限10万円前後の規模で、防水・屋根の工事を対象に含む市があります。制度の全体像は防水工事・雨漏り修理に補助金は出る?
  • 外壁・屋根の工事とまとめる——足場を一度で済ませて総額を抑える王道です。外壁塗装の助成がある市も多くあります(市区町村別の一覧

そして、これも正直に:雨漏りは放置するほど高くつきます。防水層の上だけで済んだはずの修理が、下地や構造材まで傷むと数十万円規模に膨らみます。費用の目安はベランダ防水の費用にまとめています。

業者選び:見積もりは「保険の結果待ち」の間に複数取る

雨漏り修理は、原因の特定(屋根なのか・外壁なのか・ベランダなのか)で工事の中身が変わります。突然訪問してきた業者にその場で頼むのではなく、自分で選んだ複数の業者から、原因の診断と見積もりを取って比べるのが安全です。

✓ ここが要点

見積もりのときに、次の3つを確認してください。

  • 雨漏りの原因はどこか?(写真つきの調査報告を出してくれるか)
  • 保険会社に出す見積書・写真の用意に協力してくれるか?(正規の請求協力は問題ありません。「うその理由づけ」を持ちかける業者はその時点でNG)
  • 保険金が下りなかった場合の、工事内容の選択肢は?(全面やり直しだけでなく部分補修の案もあるか)
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見積もりを見てから決められます。依頼する義務はありません。

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困ったときの相談窓口

  • 消費者ホットライン 188——契約トラブル全般。最寄りの消費生活センターにつながります
  • 日本損害保険協会「災害便乗商法 相談ダイヤル」0120-309-444——保険金請求がらみの勧誘トラブル
  • 住まいるダイヤル 0570-016-100——住宅リフォームの工事・契約の相談

よくある質問

雨漏りの修理に火災保険は使えますか?

台風・強風・雪・ひょうなど、自然災害が原因の雨漏りは対象になる可能性があります。多くの火災保険に「風災・雪災・ひょう災」の補償が含まれているためです。一方、経年劣化——古くなって傷んだだけの雨漏りは対象外です。対象になるか、自己負担額がいくらかは契約内容によるので、まず加入している保険会社・代理店に連絡して確認してください。

経年劣化かどうかは誰が決めるのですか?

保険会社が、鑑定人の調査や写真・資料をもとに判断します。「台風のあとから雨漏りが始まった」なら風災の可能性がありますが、最終的な認定は保険会社です。業者が「これは風災でいける」と言っても、その通りに保険金が下りる保証はありません。実際、経年劣化と判定されて保険金が下りず、工事契約だけが残るトラブルが多発しています。

申請は業者に代行してもらうべきですか?

いいえ。保険金の請求は加入者自身が手数料ゼロでできます。国民生活センターも「申請は契約者自身で簡単にでき、サポート業者は不要」という趣旨の注意喚起をしています。「保険金の30〜50%」といった手数料や高額な解約料を請求される事例、うその理由での請求に巻き込まれる(詐欺にあたるおそれ)事例が公表されています。

請求の期限はありますか?

保険金の請求権は、損害が発生してから3年で時効になるのが原則です。「期限が迫っている」と急がせる勧誘トークもありますが、3年以内なら落ち着いて、まず加入先の保険会社に連絡すれば大丈夫です。

保険金が下りなかった場合、雨漏りの修理に補助金は使えますか?

雨漏り修理そのものを対象にした国の補助金はいまはありませんが、市区町村の一般リフォーム助成(工事費の10%・上限10万円前後)の対象になる場合があります。また外壁・屋根の工事と同時に行うことで市の助成の対象に入れられることもあります。別記事「防水工事・雨漏り修理に補助金は出る?」にまとめています。

まとめ

  • 自然災害(台風・強風・雪・ひょう)が原因の雨漏りは、火災保険の対象になり得る。経年劣化は対象外
  • 判定するのは業者ではなく保険会社。請求の期限は損害から3年
  • 申請は自分で・手数料ゼロ。「自己負担ゼロ」「無料点検」から始まる勧誘は、その場で契約しない(相談は10年で約24倍に急増)
  • 順番は①保険会社に連絡→②写真→③複数社の見積もり→④自分で請求→⑤保険金確定後に工事契約
  • 下りなかったら→防水・雨漏りの補助金ルートを確認

※本記事は2026年7月18日時点で各公表資料・公式ページを確認して作成しています。保険の補償内容・自己負担額は契約によって異なります。対象になるかの最終判断は保険会社にあります。

参考情報(出典・すべて2026年7月18日確認)

家の補助金ナビ編集部

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