調べる

家を解体すると固定資産税は6倍になる?——実際は「3〜4倍程度」が多い理由と、放置した空き家でも上がる新ルールの正直な話

公開 2026年7月18日最終更新 2026年7月18日執筆 家の補助金ナビ編集部

本記事にはアフィリエイト広告(PR)を含みます。掲載サービスは広告の有無ではなく、当サイトの掲載基準に沿って選んでいます。掲載基準

空き家の解体を考えたとき、ほとんどの方が一度は聞くのが「解体すると固定資産税が6倍になる」という話です。これが理由で、傷んだ実家をそのままにしている方も多いと思います。

結論から言うと、この話は半分だけ本当です。土地の税金が上がるのは事実です。ただし「6倍」はそのまま正確ではなく、実際の上がり幅は3〜4倍程度かそれ以下に収まることが多い。そして2023年12月からは、放置していても税金が上がるルートが強化されました。

この記事では、総務省・国土交通省・東京都主税局の公式資料で確認した情報(確認日2026年7月18日)だけで、解体と税金の損得を正直に整理します。

先に結論:4つの事実

✓ ここが要点

土地の税金は上がる——家が建つ土地の税金を安くしている特例(200㎡以下は1/6)が、解体すると外れます。 ただし最大でも約4.2倍——更地には「税額のもとになる額は評価額の70%まで」という別の調整があり、総務省資料の数値から計算すると、1/6→70%で上がり幅は約4.2倍が上限です。 建物分の税金は消える——解体すれば、建物にかかっていた固定資産税はゼロになります。土地と建物の合計で見ると、負担増はさらに小さくなります。 放置しても上がる——市から「勧告」を受けると、解体しなくても特例が外れます。2023年12月13日からは、危険予備軍の「管理不全空家」も対象になりました。

仕組み:家が建つ土地は、税金が最大1/6に安くされている

固定資産税は、土地・建物の評価額をもとに毎年かかる税金です(税率は標準で1.4%。市街化区域では都市計画税・最大0.3%も加わります)。

このうち**家が建っている土地(住宅用地)**には、税額のもとになる額(課税標準)を安くする特例があります。

土地の区分 固定資産税 都市計画税
200㎡以下の部分(小規模住宅用地) 評価額の1/6 評価額の1/3
200㎡を超える部分(一般住宅用地) 評価額の1/3 評価額の2/3

※ 表は横にスクロールできます

一般的な戸建ての敷地はほぼ200㎡以下なので、土地の税金は本来の1/6まで安くされていることになります。家を解体して更地にすると、この特例が外れます。「1/6が1倍に戻るから6倍」——これが「6倍」説の正体です。

なぜ「必ず6倍」ではないのか

ここからが、あまり語られない部分です。

特例が外れた更地(住宅用地でない土地)には、税額が急に上がりすぎないようにする別の調整(負担調整措置)があり、課税標準は評価額の70%が上限と決められています。つまり「1/6 → 1倍(100%)」ではなく「1/6 → 最大70%」。計算すると、上がり幅は最大でも約4.2倍です。

◆ ケースで考える

土地の評価額1,800万円・敷地180㎡(すべて200㎡以下の扱い)の例で計算します。 解体前:課税標準=1,800万円×1/6=300万円 → 固定資産税は年約4.2万円解体後:課税標準=1,800万円×70%=1,260万円が上限 → 固定資産税は年約17.6万円。 上がり幅は約4.2倍・年13万円ほどの増です。さらに、解体した建物分の固定資産税(古い家でも年数千円〜数万円)はゼロになるので、土地・建物の合計で見た負担増はもう少し小さくなります。 ※税率1.4%・調整の上限で計算した目安です。実際の額は土地の評価や市の運用で変わります。

「6倍になるから解体できない」と思っていた方は、まず自分の土地でいくら増えるのかを市区町村の資産税の窓口で試算してもらってください。想像より小さい額であることは珍しくありません。

一方で、正直に書いておくと——年13万円でも、10年で130万円です。上がること自体は事実なので、「いつ解体するか」「解体したあと土地をどうするか」とセットで考えるのが正解です。

放置しても上がる:「勧告」で特例が外れる新ルール

「上がるなら壊さないでおこう」——以前はそれで通りました。いまは違います。

空き家対策の法律(空家等対策の推進に関する特別措置法)により、市区町村から**「特定空家」(そのまま放置すると倒壊などのおそれがある空き家)として勧告を受けると、解体しなくても住宅用地の特例が外れます**。

さらに、2023年(令和5年)12月13日に施行された改正で、その手前の「管理不全空家」——放置すれば特定空家になるおそれのある空き家——も、勧告を受けると特例の対象から外れるようになりました。窓が割れたまま、屋根が傷んだまま、草木が伸び放題——そんな状態で市の指導・勧告を受けると、家が建っていても税金は更地なみに上がります。

! ここに注意

「壊すと税金が上がるから放置」は、傷んだ空き家ではもう成立しません。 勧告で特例が外れれば、危険な空き家を抱えたまま税金だけが上がる、いちばん損な形になります。倒壊で通行人にケガをさせれば、持ち主の責任も問われます。傷みが進んでいる家ほど、「持ち続けるか・解体するか・売るか」を早めに決めるのが結局いちばん安くつきます。

なお、特例が外れるかどうかは毎年1月1日時点の状態で判定されます。解体のタイミングを考えるときも、この「1月1日」が区切りです。

それでも迷ったら:判断の整理

解体するかどうかは、次の3つを並べると決めやすくなります。

  • 上がる税金の実額——市の窓口で試算してもらう(この記事の計算例のように、年10万円台の増にとどまることも多い)
  • 解体費と補助金——解体費の目安は坪数別の早見表で。危険と判定された空き家なら、*解体費の1/3〜4/5(上限20万〜160万円)*を補助する市が多くあります。市区町村別の一覧助成金チェッカーで確認できます
  • 売却の予定——市によっては、解体補助と「空き家を売ったときの税金の優遇(3,000万円特別控除)」が併用できません(高崎市など)。売却も視野にあるなら、どの順番が得か、市の窓口や税理士に確認してから動くのが安全です

補助金は工事の契約・着工のまえの申請が条件です。制度の全体像は空き家の解体に補助金は出る?にまとめています。

よくある質問

家を解体すると固定資産税は6倍になりますか?

土地の税金が上がるのは本当ですが、「6倍」はそのまま正確ではありません。家が建つ土地は税額のもとになる額が評価額の1/6(200㎡以下の部分)に安くされていますが、更地にはこの額を「評価額の70%まで」に抑える別の調整があるため、総務省資料の数値から計算すると上がり幅は最大でも約4.2倍です。さらに建物分の固定資産税は解体すると消えるので、土地と建物の合計で見ると、実際の負担増は「3〜4倍程度かそれ以下」に収まることが多いです。正確な額はお住まいの市区町村の資産税の窓口で試算してもらえます。

なぜ「6倍」と言われるのですか?

家が建つ土地(住宅用地)の固定資産税は、200㎡以下の部分の課税標準(税額のもとになる額)が評価額の1/6になる特例があるためです。解体するとこの特例が外れるので「1/6が1倍に戻る=6倍」という説明が広まりました。ただし更地の課税標準には評価額の70%を上限とする調整があるため、実際の計算では6倍までは上がりません。

解体せずに放置すれば税金は上がりませんか?

危険な空き家の場合は、放置でも上がる仕組みがあります。市区町村から「特定空家」の勧告を受けると、解体しなくても住宅用地の特例が外れます。さらに2023年12月13日からは、その手前の「管理不全空家」(放置すれば特定空家になるおそれのある空き家)も、勧告を受けると特例の対象から外れるようになりました。「壊すと税金が上がるから放置」という作戦は、傷んだ空き家では通用しなくなっています。

解体した場合、税金はいつから上がりますか?

固定資産税は毎年1月1日時点の土地・建物の状態で、その年度の課税が決まります。年内に解体して1月1日に更地になっていれば、翌年度分から住宅用地の特例なしで課税されます。

解体費用を安くする方法はありますか?

老朽化して危険と判定された空き家なら、解体費の1/3〜4/5(上限20万〜160万円)を補助する市区町村が多くあります。申請は工事の契約・着工のまえが条件です。市区町村別のページで、公式に確認できた制度を確認日つきでまとめています。

まとめ

  • 解体すると土地の固定資産税は上がる。ただし**「6倍」ではなく最大約4.2倍**(更地の課税標準は評価額の70%が上限)
  • 建物分の税金は消えるので、合計の負担増は3〜4倍程度かそれ以下に収まることが多い。まず市の窓口で実額を試算
  • 放置しても上がる——特定空家の勧告に加え、2023年12月13日からは「管理不全空家」の勧告でも特例が外れる
  • 判定は毎年1月1日時点。解体のタイミングはこの日が区切り
  • 解体するなら補助金(1/3〜4/5・上限20万〜160万円の市も)を契約前に確認市区町村別の一覧/費用の目安は坪数別早見表

※本記事の税制・制度情報は2026年7月18日時点で各公式資料を確認したものです。税制は改正されることがあり、実際の税額は土地の評価・市区町村の運用で変わります。個別の税額・税務の判断は、市区町村の資産税窓口・税理士にご確認ください。

参考情報(出典・すべて2026年7月18日確認)

家の補助金ナビ編集部

うちの自治体で出るか、先に調べる

外壁塗装・窓・断熱などの住宅リフォームで使える補助金を、工事のまえに調べるための情報サイトです。制度の情報は国・自治体の公式ページで確認し、確認日を明記して執筆しています。制度の変更・誤りを見つけた場合は運営者情報の連絡先までお知らせください。