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20万円の枠がもう一度使える2つの場合——「要支援1から要介護2」は3段階上がってもリセットされません

公開 2026年8月3日最終更新 2026年9月24日執筆 家の補助金ナビ編集部

親の介護度が上がった。前に手すりを付けたときに20万円の枠を使ってしまったが、もう一度使えるらしい——そう聞いて確かめに来た方が多いと思います。

結論から言うと、枠が復活する場合は2つだけです。介護の必要の程度が大きく上がった場合(三段階リセット)と、引っ越した場合(転居リセット)。

ただし、ここに大きな落とし穴があります。要介護度が3段階上がっても、リセットされない組み合わせがあります。

このルールは市が独自に決めたものではなく、国の通知で定められた全国共通のものです。この記事では、その通知の原文と、袖ケ浦市・八王子市・相模原市の公式資料(確認日2026年8月3日)にある9つの実例、伊賀市・杉戸町の資料(確認日2026年9月24日)をもとに、条件を1つずつ確かめます。制度そのものの使い方は介護保険の住宅改修の使い方をご覧ください。

先に結論

✓ ここが要点

枠が復活するのは2つだけ——介護の必要の程度が3段階以上上がった場合と、転居した場合です。 要介護度の段数では判定しません。 「要支援1から要介護2」は要介護度では3段階上がりますが、リセットされません。 自動では適用されません。 段階が上がったその時点で工事をしなければ、適用されません。 残っていた枠は消えます。 上乗せされて28万円になる、ということはありません。 三段階リセットは1回だけ。 転居リセットは、引っ越すたびに使えます。 どの市でも同じ。 国の通知(老企第42号)で決まっている全国共通のルールです。

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市区町村の制度と国の制度を1画面にまとめて表示します。外壁・外構・解体・介護など、工事の種類を切り替えて確認することもできます。

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公式ページで確認した情報のみ(各項目に確認日つき)

判定に使うのは「介護の必要の程度」という別のものさし

つまずきの正体は、ここにあります。

判定に使うのは要介護度そのものではなく、「介護の必要の程度」の段階という6段階のものさしです。このものさしを決めているのは、厚生労働省の通知「居宅介護住宅改修費及び介護予防住宅改修費の支給について」(平成12年3月8日 老企第42号)です。通知はこう書いています。

過去において最初に住宅改修費の支給を受けた住宅改修の着工時点と比較して介護の必要の程度が著しく高い要介護認定を受けている状態(次に掲げる要介護等状態区分を基準として定める「介護の必要の程度」の段階が3段階以上上がった場合)で行った住宅改修について、初めて住宅改修費の支給を受ける場合には、それ以前に支給された住宅改修費の額にかかわらず、改めて支給限度基準額(20万円)までの住宅改修費の支給を受けることが可能となる

通知が「次に掲げる」としている表が、これです。袖ケ浦市の資料にある表もそのままの形です。

「介護の必要の程度」の段階 要介護等状態区分
第六段階 要介護5
第五段階 要介護4
第四段階 要介護3
第三段階 要介護2
第二段階 要介護1 または 要支援2
第一段階 要支援1

※ 表は横にスクロールできます

見ていただきたいのは第二段階です。要支援2と要介護1が、同じ段にまとめられています。

このため、次の組み合わせでは、要介護度が3段階上がっていてもリセットされません。

! ここに注意

要支援1 → 要介護2:要介護度では3段階上がっていますが、第一段階から第三段階なので2段階です。適用されません。 要支援2 → 要介護3:同じく、第二段階から第四段階で2段階です。適用されません。 八王子市の手引きにも「介護度は3段階上がっていますが『介護の必要の程度』は2段階しか上がっていませんので、リセットは適用されませんのでご注意ください」と、そのまま書かれています。

正しい組み合わせは、次のとおりです。

最初に工事をしたときの区分 リセットされる区分
要支援1(第一段階) 要介護3・要介護4・要介護5
要支援2 または 要介護1(第二段階) 要介護4・要介護5
要介護2(第三段階) 要介護5
要介護3以上 ありません

※ 表は横にスクロールできます

要介護3のときに初めて工事をした場合、第四段階から3段階上がる先は第七段階になりますが、そこはありません。つまり、要介護3以上で初めて工事をした方に三段階リセットはない、ということになります。

基準になるのは「初めて工事をした日」の区分

もう1つ、間違えやすい点があります。

比べるのは今の介護度と、初めて住宅改修費が支給された工事に着工した日の区分です。前回の工事ではなく、いちばん最初の工事です。

袖ケ浦市の資料にある例で確かめます。

◆ ケースで考える

例1|認定を受けても工事をしなければ、基準になりません 要支援1と認定されたが、その時点では工事をしなかった。その後、要介護1になってから初めて工事をした。 → 基準は要介護1(第二段階)です。要支援1ではありません。したがって、リセットされるのは要介護4か要介護5になったときです。

例3|途中で分けて使っても、基準は最初のままです 要介護1のときに初めて着工して10万円を使い、要介護3のときに残りの10万円を使った。その後、要介護4になった。 → 基準は最初の要介護1(第二段階)です。要介護4は第五段階なので3段階上がっており、再度20万円まで使えます。

例4|介護度が下がってから上がっても、基準は変わりません 要介護3のときに初めて着工して10万円、その後要介護1のときに残り10万円を使った。さらにその後、要介護4になった。 → 基準は最初の要介護3(第四段階)のままです。要介護4は第五段階で1段階しか上がっていないため、使えません。

例3と例4は、同じように「10万円ずつ2回使って、最後は要介護4」ですが、結果が逆になります。分けているのは、いちばん最初に工事をしたときの介護度だけです。

自動では適用されません

袖ケ浦市の資料に、はっきり書かれています。

「介護の必要の程度」の段階は3段階以上上がっても自動的に3段階リセットの例外が適用されるのではなく、その時点で住宅改修を行わない場合は適用されません。

判定の基準になるのは、次に住宅改修へ着工する日の状態区分です。条件を満たしたときに工事をしなければ、その資格が貯金されるわけではありません。

◆ ケースで考える

例2|条件を満たしたときに工事をしなかった場合 要支援2のときに初めて着工(第二段階)。その後、要介護4(第五段階)の認定を受けたが、この時点では工事をしなかった。さらに後で要介護3(第四段階)に変更された。 → 要介護3の時点では、第二段階から2段階しか上がっていないため使えません。ただしこの場合でも、再び要介護4か要介護5の認定を受ければ、再度20万円まで使えるようになります。

介護度が大きく上がったタイミングは、実際に家の危険が増えているタイミングでもあります。上がったときに、いま必要な工事があるかをケアマネジャーと確認しておくことが、結果的に枠を活かすことにつながります。

残っていた枠は、消えます

もう1つ、金額の話です。リセットされると、それまでの残額は持ち越されません。

◆ ケースで考える

例5|残額は上乗せされません 要介護1のときに12万円の支給を受けた(残り8万円)。その後、要介護4で住宅改修を行った。 → 支給限度額は20万円です。8万円が上乗せされて28万円になるわけではありません。残っていた8万円はリセットされます。

例6|いったん消えた残額は、復活しません 上の続きで、要介護4のときに15万円を使った(新しい枠の残り5万円)。その後、要介護3になった。 → 使えるのは5万円までです。要介護1のときの残額8万円は、すでにリセットされており、復活することはありません。

例7|三段階リセットは1回だけです 要支援1で初めて着工し20万円を使用。要介護3になって再度20万円の枠を得て17万円を使用。要介護2のときに残り3万円を使用。その後、要介護5になった。 → 使えません。 三段階リセットは1回限りで、再び3段階以上上がっても適用されません。

八王子市の手引きも「この例外は、同一住宅・同一対象者について1回だけ適用されます」としています。もとになっている国の通知(老企第42号)の書き方は「なお、この取扱いは1回に限られる」で、伊賀市は「同一被保険者について1回のみ適用」、杉戸町は「一人の被保険者に対して1回しか適用されません」と、どの市も同じ扱いです。

残額を残したまま大きな工事を待つと、リセットのときに消えることがある。 ここは知っておく価値があります。

もう1つの復活=転居リセット

引っ越した場合は、転居後の住宅について再び20万円までになります。国の通知(老企第42号)は「転居した場合には改めて支給限度基準額までの住宅改修費の支給を受けることが可能となる」と書いていて、三段階リセットと違い、こちらには回数の制限がありません。

八王子市の手引きは、支給限度基準額の管理は現に居住している住宅について行われるため、転居した場合には転居後の住宅について再度20万円になるとしたうえで、転居前の住宅に残額があっても持ち越されないとしています。

判定の基準は住民登録の住所です。ここから、いくつか具体的な扱いが出てきます。

起きたこと リセットされるか 根拠
別の住所へ引っ越した される 転居後の住宅について再度20万円(八王子市・袖ケ浦市)
住所を変えずに家を建て替えた されない 住民登録上の住所での判断のため(相模原市)
10万円を使った家を現地で建て替えた されない 住居表示が同じなら例外にあたらない(相模原市)
同じ敷地内に高齢者世帯用の家を新築した されない 同上(相模原市)
同じマンション内で別の部屋へ引っ越した される場合がある 住民票に部屋番号まで登録されていて、番号が変わる場合(相模原市)
引っ越した先から、元の住宅に戻った 元の住宅の支給状況が復活する 転居リセットはなかったものとして扱う(袖ケ浦市)

※ 表は横にスクロールできます

! ここに注意

建て替えは、感覚と結果がずれるところです。家は新しくなっても、住所が変わらなければ枠は戻りません。大きな建て替えを予定している場合は、住宅改修の枠をいつ使うかを先に相談しておいてください。

なお、2つの例外が重なった場合について、袖ケ浦市の資料は転居リセットが優先するとし、三段階リセットは転居後の住宅で初めて着工した日の区分を基準に判定する、としています。

残り枠の確認と、次にすること

自分の残り枠がいくらかは、市の介護保険の窓口で確認できます。過去の工事の記録は市が管理しているためです。

  1. 残り枠を市の窓口で確認する

    過去にいくら使ったか、リセットの対象になるかを聞きます

  2. ケアマネジャーに相談する

    いま必要な工事を整理します。リセットの対象なら、そのタイミングで工事をするか判断します

  3. 理由書を作ってもらう

    住宅改修が必要な理由書です。これがないと工事を始められません

  4. 工事のまえに申請する

    承認を待ってから着工します。着工したあとでは対象外です

上乗せの制度を持つ市なら、20万円を超えた分を市が拾ってくれる場合もあります。当サイトが公式ページで確認した300市区町村のうち、独自の制度があったのは145市区町村でした。お住まいの市の内容は市区町村別の介護リフォームのページで確認できます。

支給されたお金がいつ手元に来るのかは補助金は、いつ手元に来るのかにまとめています。

無料・相談だけでもOK

申請に出す見積書を、先にそろえる

介護保険の住宅改修は、工事のまえの申請に見積書がいります。手すりや段差解消などの小さな工事にも対応した、無料の一括見積もりサービスです。

  • 手すり・段差・浴室など、場所をまたいでまとめて相談できます
  • 会社選びの相談は無料。依頼する義務はありません
  • 介護保険や市の助成の申請に慣れた業者かを、見積もりの場で確認できます
リフォームの見積もりを無料で相談する

相談だけでも無料で、依頼する義務はありません。申込のあと、入力した電話番号に確認の電話が入ります。

申込のあと何が起きるか

フォームを送ると、まずリフォームガイドから電話で希望を確かめる連絡が入り、そのうえで会社を紹介する流れです。電話がつながらないと手続きが進まないので、出られる番号を入れてください。紹介された会社に依頼する義務はありません。

よくある質問

介護保険の住宅改修の20万円は、2回目も使えますか?

原則は、ひとり生涯20万円までです。ただし枠が復活する例外が2つあります。1つは三段階リセットで、初めて住宅改修費が支給された工事の着工日の状態を基準に「介護の必要の程度」の段階が3段階以上上がった場合です。もう1つは転居リセットで、引っ越した場合には転居後の住宅について再び20万円までになります。なお20万円は一度で使い切る必要はなく、合計が20万円になるまでは数回に分けて使えます。手すり5万円、段差10万円、扉5万円といった使い方です。

「要支援1から要介護2」になりました。3段階上がったのでリセットされますか?

されません。ここがいちばん間違えやすいところです。判定に使う「介護の必要の程度」では、要支援2と要介護1が同じ第二段階にまとめられています。そのため要支援1(第一段階)から要介護2(第三段階)は、要介護度としては3段階上がっていても、判定上は2段階しか上がっていません。「要支援2から要介護3」も同じ理由でリセットされません。要支援1の方がリセットの対象になるのは、要介護3・要介護4・要介護5になった場合です。

介護度が3段階以上上がれば、自動的に20万円が復活しますか?

自動では適用されません。袖ケ浦市の資料には「その時点で住宅改修を行わない場合は適用されません」と書かれています。判定の基準になるのは、あくまで住宅改修に着工する日の状態区分です。たとえば要介護4に上がったときに工事をせず、その後要介護3に下がってから工事をすると、条件を満たさなくなります。この場合でも、再び要介護4か要介護5の認定を受ければ、再度20万円まで使えるようになります。

リセットされると、前に残っていた枠はどうなりますか?

消えます。袖ケ浦市の資料では、要介護1のときに12万円を使い、その後要介護4で住宅改修を行った場合、残っていた8万円はリセットされて支給限度額は20万円になる、とされています。残額が上乗せされて28万円になるわけではありません。また、いったんリセットされた残額が後から復活することもありません。なお三段階リセットは、同じ住宅・同じ方について1回だけ適用されます。

家を建て替えたら、20万円はリセットされますか?

住民登録上の住所が変わらないのであれば、リセットされません。相模原市は「住民登録上の住所での判断となるため、住所が変わらないのであれば建替えたとしてもリセットにはなりません」としています。同じ市の別のQ&Aでも、10万円の支給を受けた家を現地で建て替えた場合や、同じ敷地内に新しく家を建てた場合は、住居表示が同じであれば転居した場合の例外にあたらない、とされています。一方、同じマンション内の引っ越しでも、住民票に部屋番号まで登録されていて番号が変わる場合は対象になる、という扱いです。

三段階リセットは、どの市でも同じルールですか?

はい。市が独自に決めているものではなく、国の通知「居宅介護住宅改修費及び介護予防住宅改修費の支給について」(平成12年3月8日 老企第42号)で定められた全国共通のルールです。通知は、最初に住宅改修費の支給を受けた工事の着工時点と比べて「介護の必要の程度」の段階が3段階以上上がった場合と、転居した場合に、改めて20万円までの支給を受けられるとし、三段階リセットの取扱いは1回に限られると書いています。要支援2と要介護1を同じ第二段階にまとめた表も、この通知にあります。袖ケ浦市・八王子市・相模原市・伊賀市・杉戸町の公式資料はいずれもこの通知どおりでした。ただし、残り枠の確認や申請の手順は市ごとに違うので、お住まいの市の介護保険の窓口で確かめてください。

まとめ

  • 枠が復活するのは2つだけ。 三段階リセットと転居リセットです
  • 国の通知(老企第42号)で決まった全国共通のルール。 市が独自に決めているものではありません
  • 判定は「介護の必要の程度」で行います。 要支援2と要介護1は同じ第二段階にまとめられています
  • 「要支援1から要介護2」「要支援2から要介護3」はリセットされません。 要介護度では3段階上がっていても、判定上は2段階です
  • 基準は、いちばん最初に工事をした日の区分。 前回の工事ではありません
  • 自動では適用されません。 段階が上がったその時点で工事をする必要があります
  • 残っていた枠は消えます。 上乗せされて28万円になることはありません
  • 三段階リセットは1回だけ。 転居リセットは引っ越すたびに使えますが、住所が変わらない建て替えは対象になりません
  • 残り枠は市の介護保険の窓口で確認できます。 申請は工事を始めるまえです

※本記事の制度情報は、袖ケ浦市・八王子市・相模原市の公式資料を2026年8月3日に、国の通知と伊賀市・杉戸町の資料を2026年9月24日に確認したものです。

※リセットの取扱いは市区町村ごとに運用が異なる場合があります。対象になるかどうかの最終的な判断は市区町村にあります。制度は年度や運用の見直しで変更されることがありますので、着工前に必ずお住まいの市区町村の公式ページ・窓口でご確認ください。

参考情報(出典)

家の補助金ナビ編集部

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