ブロック塀の撤去補助金を全国246市区町村で調べたら、96.3%にありました
地震のたびに、家の前のブロック塀が気になる——撤去を考えはじめて、「補助金はあるのか」と調べに来た方が多いと思います。
結論から言うと、ブロック塀の撤去は、住宅まわりの工事でいちばん「補助が見つかりやすい」工事です。編集部が全国246市区町村の公式ページを1つずつ確認したところ、237市区町村=96.3%に撤去補助がありました。
ただし、上限額の中央値は16万円と、金額そのものは小さめです。そして今回は、外壁塗装や解体の調査とは逆の構図が出ました——手厚いのは、東京23区です。
この記事は、その調査結果の全体像です(確認日2026年7月12日〜17日)。自分の市の金額は市区町村別のブロック塀撤去DBで個別に確認できます。
先に結論:調べてわかった5つのこと
✓ ここが要点
① 237/246市区町村(96.3%)に撤去補助——当サイトが調べた4工種のなかで、最も普及している補助です。 ② 上限の中央値は16万円——真ん中の半数は10万〜20万円で、補助率は3分の2が最多。全額を補助する区(千代田・品川・港)も実在します。 ③ 東京23区が政令指定都市の2倍以上——中央値で40万円と15万円。外壁・解体で見えた「大都市ほど薄い」が、ここでは逆転しました。 ④ 通学路・避難路沿いは39市区町村で上乗せ——お子さんの通学路に面した塀は、まず市のページで確認してください。 ⑤ 撤去したあとまで出る市が78——フェンス・生垣の新設が対象です。逆に9市区は緑化への助成が中心なので、制度の性格から確認します。
以下、一つずつ実例つきで見ていきます。
調査の方法
✎ 私の調査メモ
編集部が2026年7月から8月にかけて、全国の政令指定都市・東京23区・県庁所在地に各県の人口上位市を加えた市区町村の公式サイト(lg.jpなど)を1つずつ開き、危険ブロック塀の撤去補助の有無、補助率、上限額、対象の条件、受付期間を確認しました。民間まとめサイトの数値は使わず、公式ページで現行の値を確認できたものだけを採用しています。公式で現行の実施を確認できなかった市は、古い情報で埋めずに掲載を見送りました。今回の246市区町村は、全国1,741市区町村を網羅した調査でも、無作為に選んだものでもありません(沖縄県のみ、撤去補助を確認できた市がありませんでした)。
わかったこと1:237/246市区町村にあった——4工種で最も普及
今回の最大の特徴は、「ある」割合の高さです。246市区町村のうち、危険ブロック塀の撤去補助を公式に確認できたのは237市区町村(96.3%)。
当サイトの調査シリーズと並べると、その突出ぶりが分かります。
| 工種 | 調べた数 | 補助があった割合 |
|---|---|---|
| ブロック塀の撤去 | 246 | 96.3% |
| 空き家の解体 | 300 | 69.3% |
| 外壁塗装(何らかの制度) | 292 | 57.9% |
| 介護リフォームの上乗せ | 300 | 48.3% |
| 外壁塗装(ふつうの塗り替えに使える) | 292 | 26.4% |
※ 表は横にスクロールできます
理由ははっきりしています。2018年(平成30年)の大阪府北部地震で、倒れたブロック塀の下敷きになって亡くなる事故が起きたことをきっかけに、国が防災のためのお金(防災・安全交付金)で市区町村の制度を後押しし、全国へ一気に広がったからです。
「外構の工事に補助はほぼ無い」が原則の中で(外構工事の補助金の実情)、危険ブロック塀の撤去だけは例外——防災という公共の目的がはっきりしているからです。
わかったこと2:中央値は16万円。金額そのものは小さい
「ほぼどの市にもある」一方で、金額は4工種のなかで最も小さいという結果でした。基本の上限額を集計できた207市区町村では、中央値16万円・真ん中の半数は10万〜20万円です。
実測の範囲は2万円(足立区。長さ×2万円と実費の低い方)から300万円(高槻市。道路や公園に面する大きな塀まで対象)までありますが、これは例外的な両端で、大半は10万〜20万円の帯に集まっています。
| 基本の上限額 | 市区の数 | 例 |
|---|---|---|
| 10万円以下 | 18 | 長野市(5万円)・大分市(7万円)・札幌市・名古屋市(各10万円) |
| 11〜29万円 | 35 | 大阪市・広島市(各15万円)・水戸市(20万円) |
| 30〜49万円 | 21 | 神戸市・福岡市・八王子市(各30万円)・和歌山市(40万円) |
| 50万円以上 | 7 | 渋谷区(60万円)・中野区(90万円)・武蔵村山市(約133万円)・港区(150万円)・江戸川区(200万円) |
※ 表は横にスクロールできます
中央値は16万円。金額の大きい江戸川区200万円と、小さい長野市5万円のような例もありますが、大半の市は10万〜20万円の帯に集まっています。
補助率は工事費の3分の2が最多でした。突出しているのは、千代田区(撤去工事費の全額・上限40万円)、品川区(実質全額・1mあたり3万円が限度)、港区(無料のアドバイザー派遣を使うと撤去全額・上限150万円)——条件を満たせば自己負担ほぼゼロで撤去できる区が実在します。
わかったこと3:東京23区は政令市の2倍以上——「大都市ほど薄い」が逆転した
外壁塗装でも解体でも、当サイトの調査は「人口の多い大都市ほど制度が薄い」という同じ構図でした。ブロック塀では、これが逆転します。
| 基本上限額の中央値 | |
|---|---|
| 東京23区(集計16区) | 40万円 |
| 政令指定都市(集計20市) | 15万円 |
※ 表は横にスクロールできます
東京23区の中央値は40万円で、政令市の2倍以上。江戸川区200万円・港区150万円・中野区90万円・渋谷区60万円と、上位はほぼ23区が独占しました。一方の政令市は、札幌・名古屋・静岡・相模原が10万円、大阪・堺・広島・北九州・新潟が15万円と、控えめな水準に集中しています。
理由として考えられるのは、23区の住宅密集度です。狭い道路に古い塀が迫る密集市街地では、地震のときに塀が道をふさぐと避難も救助もできません。実際、中野区は避難路に面する塀なら費用の9割、葛飾区は避難路・公園沿いで上限が10万円増えるなど、避難路の確保が制度の芯になっています。
「大きい市は制度が薄い」という当サイトの過去2回の調査結果は、ブロック塀には当てはまりません。工種ごとに、思い込みを疑って調べる価値があるということです。
わかったこと4:通学路沿いは増える——39市区に上乗せ
もう1つの特徴が、塀がどこに面しているかで金額が変わる市の多さです。通学路・避難路・緊急輸送道路沿いの上乗せがある市区は14ありました。
- 千葉市:学校からおおむね500m以内の重点地区は工事費の3/4(一般地区は1/2)
- 金沢市:通学路・緊急輸送道路沿いは単価が2倍(上限10万円→20万円)
- 三郷市:通学路・緊急輸送道路沿いは上限50万円(それ以外40万円)
- 藤沢市:津波避難路沿いは工事費の3/4・上限45万円(通常は1/2・30万円)
お子さんの通学路に面した塀なら、思っているより多く出る可能性がある——見積もりの前に、市のページで「通学路」の扱いを確認する価値があります。
わかったこと5:「壊すだけ」でなく、その後のフェンスまで出る市が31
撤去補助と聞くと「壊す費用の一部」を想像しますが、今回調べた246市区町村のうち78市区町村は、撤去後に軽いフェンスや生垣を新しく作る費用まで対象にしていました(横浜市・大田区・和歌山市など)。
一方で、9市区は撤去そのものへの補助ではなく、生垣づくり・緑化への助成が中心でした——東京都中央区(緑化助成のみ)・前橋市(生垣づくり奨励金のみ)・蕨市(撤去単独の補助は廃止済み・生垣とセットなら塀の撤去分も対象)のほか、尼崎市・春日部市・宝塚市・浦安市・安曇野市・高山市が該当します。
注意したいのは、「撤去補助がある」前提で見積もりを取ると話が食い違う点です。これらの市にお住まいの方は、まず制度の性格から確認してください。
なお、ブロック塀撤去の費用相場そのもの(1mあたりいくらか・実質負担の計算例)はブロック塀の撤去費用の解説にまとめています。
だから、調べる順番はこうなる
- 自分の市の制度を見る——市区町村別のブロック塀撤去DBか、市の公式ページで「◯◯市 ブロック塀 撤去 補助」を確認
- 塀の場所と高さを見る——道路に面しているか・高さ0.8m超か・通学路や避難路沿いか(上乗せの対象になる可能性)。高さの基準・万年塀や大谷石・隣の家との境界など、自分の塀が引っかかりそうな条件は条件別の判定で1つずつ確かめられます
- 契約の前に市へ相談する——ほぼすべての市で着工前の申請が必須。市の職員による塀の危険性の確認が先に入る市も多い
よくある質問
ブロック塀の撤去補助金は、どこの市でももらえますか?
かなり多くの市にあります。編集部が全国246市区町村の公式ページを調べた結果、237市区町村(96.3%)で危険ブロック塀の撤去補助を確認できました。外壁塗装の助成(当サイト調査でふつうの塗り替えに使えるのは26.4%)と比べると、ブロック塀の撤去は「ほぼどの市にもある」珍しい補助です。2018年の大阪府北部地震での塀の倒壊事故をきっかけに、全国へ一気に広がりました。ただし9市区は塀の撤去そのものでなく生垣づくり・緑化への助成が中心など、例外もあります。
補助額はいくらくらいですか?
市によって大きく違います。今回集計できた207市区町村では、基本の上限額の中央値は16万円、真ん中の半数は10万〜20万円でした。補助率は工事費の3分の2の市が最多です。千代田区・品川区・港区のように、条件を満たせば撤去費が実質全額出る区もあります。
どんな塀が対象になりますか?
多くの市で「道路や公園など人の通る場所に面していて、高さがおおむね0.8m(ブロック約4段)を超える塀」が対象です。市の職員などが危険性を確認したものが中心で、隣の家との境界にだけある塀は対象外のことが多いです。通学路や避難路に面した塀は、上乗せや優先の対象になる市が14ありました。
申請はいつすればいいですか?
工事の契約・着工のまえです。今回調べた市は、ほぼすべてが着工前の申請を条件にしていて、先に工事を始めると対象外になります。受付は年度の予算のわくで、予算に達すると締め切られます。撤去を決めたら、業者と契約する前に市の窓口へ相談してください。
まとめ:この調査で分かった5つのこと
- 246市区町村中237市区町村(96.3%)に撤去補助——4工種で最も普及している補助。2018年の塀の倒壊事故が出発点
- 上限の中央値は16万円で、真ん中の半数は10万〜20万円。補助率は3分の2が最多。全額補助の区(千代田・品川・港)も実在
- 東京23区(中央値40万円)は政令市(15万円)の2倍以上——過去2回の「大都市ほど薄い」が初めて逆転。芯は避難路の確保
- 通学路・避難路沿いは39市区町村で上乗せ。お子さんの通学路に面した塀は、まず市のページで確認を
- 78市区町村は撤去後のフェンス・生垣の新設まで対象。逆に9市区は生垣化・緑化への助成が中心——制度の性格から確認する
- 費用相場と実質負担の計算はブロック塀の撤去費用、制度の全体像は外構工事の補助金の実情へ
※本記事は2026年7月から8月にかけて各市区の公式ページを確認した調査です。サンプルは政令指定都市・東京23区・県庁所在地に各県の人口上位市を加えた246市区町村で、全国1,741市区町村を網羅したものでも、無作為に選んだものでもありません。上限額の集計(中央値16万円)は、金額を確認できた207市区町村が対象です。
※補助制度は年度・予算の状況で変わります。申請前に必ず、お住まいの市の公式ページ・窓口で最新の条件をご確認ください。
参考情報
- 住宅リフォーム補助金 全国調査(4工種・のべ1,187件のまとめ)
- 調査対象92市区の出典URL(各市の公式ページ)と確認日は、市区町村別のブロック塀撤去DBの各ページに個別に記載しています
- 外構工事の補助金の実情/ブロック塀の撤去費用/外壁塗装の助成金 91市調査/空き家の解体補助金 32市調査
この調査データ(2026年版)
確認:2026年7〜8月家の補助金ナビ編集部が、246市区町村・46都道府県を各自治体の公式ページで1件ずつ確認した調査です。無作為に選んだ全国サンプルではなく、割合は調べた範囲での数字(全国平均ではありません)。出典を明記していただければ、報道・記事・研究に引用いただけます。
237/246
撤去補助を確認できた市区(96.3%)
16万円
撤去の上限額の中央値(集計207市区)
39市区
通学路・避難路に面する塀への上乗せあり
78市区
撤去後のフェンス新設にも補助あり
このデータを引用する
この調査結果・数値は、出典を明記していただければ引用・転載していただけます。引用のときは、次の出典表記とリンクを添えてください(各制度の元の出典は各自治体の公式ページです)。
出典:家の補助金ナビ「危険ブロック塀の撤去補助金 全国調査データ(2026年版)」(各自治体の公式ページより・確認日つき)
https://ie-hojokin.com/articles/blockbei-hojokin-survey
住宅リフォーム4工種の調査をまとめた住宅リフォーム補助金 全国調査(2026年版)もあります。
家の補助金ナビ編集部
うちの自治体で出るか、先に調べる
外壁塗装・窓・断熱などの住宅リフォームで使える補助金を、工事のまえに調べるための情報サイトです。制度の情報は国・自治体の公式ページで確認し、確認日を明記して執筆しています。制度の変更・誤りを見つけた場合は運営者情報の連絡先までお知らせください。
このページはアフィリエイト広告(PR)を含みます。掲載基準