ブロック塀の撤去補助金を全国92市区で調べたら、上限額に40倍の差がありました
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地震のたびに、家の前のブロック塀が気になる——撤去を考えはじめて、「補助金はあるのか」と調べに来た方が多いと思います。
結論から言うと、ブロック塀の撤去は、住宅まわりの工事でいちばん「補助が見つかりやすい」工事です。編集部が全国92市区の公式ページを1つずつ確認したところ、89市区に撤去補助がありました。
ただし、上限額は5万円から200万円まで40倍の差。そして今回は、外壁塗装や解体の調査とは逆の構図が出ました——手厚いのは、東京23区です。
この記事は、その調査結果の全体像です(確認日2026年7月12日〜17日)。自分の市の金額は市区町村別のブロック塀撤去DBで個別に確認できます。
調査の方法
✎ 私の調査メモ
編集部が2026年7月に、全国の政令指定都市・東京23区・県庁所在地を中心とした市区の公式サイト(lg.jpなど)を1つずつ開き、危険ブロック塀の撤去補助の有無、補助率、上限額、対象の条件、受付期間を確認しました。民間まとめサイトの数値は使わず、公式ページで現行の値を確認できたものだけを採用しています。公式で現行の実施を確認できなかった市(長崎市・那覇市など)は、古い情報で埋めずに掲載を見送りました。今回の92市区は、全国すべての市町村を網羅した調査ではありません。
わかったこと1:89/92市区にあった——外壁塗装とは真逆
今回の最大の特徴は、「ある」割合の高さです。92市区のうち、危険ブロック塀の撤去補助を公式に確認できたのは89市区。当サイトが外壁塗装の助成金を91市で調べたときは「あるのは4割」、空き家の解体(32市区)では「補助なしの政令市が3つ」だったのと比べると、対照的です。
理由ははっきりしています。2018年(平成30年)の大阪府北部地震で、倒れたブロック塀の下敷きになって亡くなる事故が起きたことをきっかけに、国が防災のためのお金(防災・安全交付金)で市区町村の制度を後押しし、全国へ一気に広がったからです。
「外構の工事に補助はほぼ無い」が原則の中で(外構工事の補助金の実情)、危険ブロック塀の撤去だけは例外——防災という公共の目的がはっきりしているからです。
わかったこと2:上限は5万円〜200万円、40倍の差。中央値は20万円
「ほぼどの市にもある」一方で、金額の差は今回の調査シリーズで最大でした。基本の上限額を集計できた81市区の分布です。
| 基本の上限額 | 市区の数 | 例 |
|---|---|---|
| 10万円以下 | 18 | 長野市(5万円)・大分市(7万円)・札幌市・名古屋市(各10万円) |
| 11〜29万円 | 35 | 大阪市・広島市(各15万円)・水戸市(20万円) |
| 30〜49万円 | 21 | 神戸市・福岡市・八王子市(各30万円)・和歌山市(40万円) |
| 50万円以上 | 7 | 渋谷区(60万円)・中野区(90万円)・武蔵村山市(約133万円)・港区(150万円)・江戸川区(200万円) |
※ 表は横にスクロールできます
中央値は20万円。最小の長野市5万円と最大の江戸川区200万円では、40倍の開きがあります。
補助率は工事費の3分の2が最多でした。突出しているのは、千代田区(撤去工事費の全額・上限40万円)、品川区(実質全額・1mあたり3万円が限度)、港区(無料のアドバイザー派遣を使うと撤去全額・上限150万円)——条件を満たせば自己負担ほぼゼロで撤去できる区が実在します。
わかったこと3:東京23区は政令市の2倍以上——「大都市ほど薄い」が逆転した
外壁塗装でも解体でも、当サイトの調査は「人口の多い大都市ほど制度が薄い」という同じ構図でした。ブロック塀では、これが逆転します。
| 基本上限額の中央値 | |
|---|---|
| 東京23区(集計16区) | 40万円 |
| 政令指定都市(集計20市) | 15万円 |
※ 表は横にスクロールできます
東京23区の中央値は40万円で、政令市の2倍以上。江戸川区200万円・港区150万円・中野区90万円・渋谷区60万円と、上位はほぼ23区が独占しました。一方の政令市は、札幌・名古屋・静岡・相模原が10万円、大阪・堺・広島・北九州・新潟が15万円と、控えめな水準に集中しています。
理由として考えられるのは、23区の住宅密集度です。狭い道路に古い塀が迫る密集市街地では、地震のときに塀が道をふさぐと避難も救助もできません。実際、中野区は避難路に面する塀なら費用の9割、葛飾区は避難路・公園沿いで上限が10万円増えるなど、避難路の確保が制度の芯になっています。
「大きい市は制度が薄い」という当サイトの過去2回の調査結果は、ブロック塀には当てはまりません。工種ごとに、思い込みを疑って調べる価値があるということです。
わかったこと4:通学路沿いは増える——14市区に上乗せ
もう1つの特徴が、塀がどこに面しているかで金額が変わる市の多さです。通学路・避難路・緊急輸送道路沿いの上乗せがある市区は14ありました。
- 千葉市:学校からおおむね500m以内の重点地区は工事費の3/4(一般地区は1/2)
- 金沢市:通学路・緊急輸送道路沿いは単価が2倍(上限10万円→20万円)
- 三郷市:通学路・緊急輸送道路沿いは上限50万円(それ以外40万円)
- 藤沢市:津波避難路沿いは工事費の3/4・上限45万円(通常は1/2・30万円)
お子さんの通学路に面した塀なら、思っているより多く出る可能性がある——見積もりの前に、市のページで「通学路」の扱いを確認する価値があります。
わかったこと5:「壊すだけ」でなく、その後のフェンスまで出る市が31
撤去補助と聞くと「壊す費用の一部」を想像しますが、今回調べた92市区のうち31市区は、撤去後に軽いフェンスや生垣を新しく作る費用まで対象にしていました(横浜市・大田区・和歌山市など)。
一方で、3市区は撤去そのものへの補助ではなく、生垣づくりへの助成が中心でした——東京都中央区(緑化助成のみ)・前橋市(生垣づくり奨励金のみ)・蕨市(撤去単独の補助は廃止済み・生垣とセットなら塀の撤去分も対象)。「撤去補助がある」前提で見積もりを取ると食い違うので、この3市にお住まいの方は制度の性格から確認してください。
なお、ブロック塀撤去の費用相場そのもの(1mあたりいくらか・実質負担の計算例)はブロック塀の撤去費用の解説にまとめています。
だから、調べる順番はこうなる
- 自分の市の制度を見る——市区町村別のブロック塀撤去DBか、市の公式ページで「◯◯市 ブロック塀 撤去 補助」を確認
- 塀の場所と高さを見る——道路に面しているか・高さ0.8m超か・通学路や避難路沿いか(上乗せの対象になる可能性)
- 契約の前に市へ相談する——ほぼすべての市で着工前の申請が必須。市の職員による塀の危険性の確認が先に入る市も多い
よくある質問
ブロック塀の撤去補助金は、どこの市でももらえますか?
かなり多くの市にあります。編集部が全国92市区の公式ページを調べた結果、89市区で危険ブロック塀の撤去補助を確認できました。外壁塗装の助成(当サイト調査で約4割の市のみ)と比べると、ブロック塀の撤去は「ほぼどの市にもある」珍しい補助です。2018年の大阪府北部地震での塀の倒壊事故をきっかけに、全国へ一気に広がりました。ただし3市(東京都中央区・前橋市・蕨市)は塀の撤去そのものでなく生垣づくりへの助成が中心など、例外もあります。
補助額はいくらくらいですか?
市によって大きく違います。今回集計できた81市区では、基本の上限額は5万円(長野市)から200万円(江戸川区)まで40倍の開きがあり、中央値は20万円でした。補助率は工事費の3分の2の市が最多です。千代田区・品川区・港区のように、条件を満たせば撤去費が実質全額出る区もあります。
どんな塀が対象になりますか?
多くの市で「道路や公園など人の通る場所に面していて、高さがおおむね0.8m(ブロック約4段)を超える塀」が対象です。市の職員などが危険性を確認したものが中心で、隣の家との境界にだけある塀は対象外のことが多いです。通学路や避難路に面した塀は、上乗せや優先の対象になる市が14ありました。
申請はいつすればいいですか?
工事の契約・着工のまえです。今回調べた市は、ほぼすべてが着工前の申請を条件にしていて、先に工事を始めると対象外になります。受付は年度の予算のわくで、予算に達すると締め切られます。撤去を決めたら、業者と契約する前に市の窓口へ相談してください。
まとめ:この調査で分かった5つのこと
- 92市区中89市区に撤去補助——外壁塗装(4割)と真逆の「ほぼどの市にもある」補助。2018年の塀の倒壊事故が出発点
- 上限は5万円〜200万円で40倍差・中央値20万円・補助率は3分の2が最多。全額補助の区(千代田・品川・港)も実在
- 東京23区(中央値40万円)は政令市(15万円)の2倍以上——過去2回の「大都市ほど薄い」が初めて逆転。芯は避難路の確保
- 通学路・避難路沿いは14市区で上乗せ。お子さんの通学路に面した塀は、まず市のページで確認を
- 31市区は撤去後のフェンス・生垣の新設まで対象。逆に3市区(中央区・前橋・蕨)は生垣化への助成が中心——制度の性格から確認する
- 費用相場と実質負担の計算はブロック塀の撤去費用、制度の全体像は外構工事の補助金の実情へ
※本記事は2026年7月12日〜17日に各市区の公式ページを確認した調査です。サンプルは政令市・東京23区・県庁所在地中心の92市区で、全国の市町村を無作為に選んだものではありません。上限額の集計(中央値20万円・40倍差)は、単価制で総額上限の記載がない8市区と生垣型の3市区を除く81市区が対象です。補助制度は年度・予算の状況で変わります。申請前に必ず、お住まいの市の公式ページ・窓口で最新の条件をご確認ください。
参考情報
- 調査対象92市区の出典URL(各市の公式ページ)と確認日は、市区町村別のブロック塀撤去DBの各ページに個別に記載しています
- 外構工事の補助金の実情/ブロック塀の撤去費用/外壁塗装の助成金 91市調査/空き家の解体補助金 32市調査
家の補助金ナビ編集部
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