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空き家の解体補助金を全国32市で調べたら、上限額に最大8倍の差がありました

公開 2026年7月18日最終更新 2026年7月18日執筆 家の補助金ナビ編集部

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実家をたたむことになった、空き家の管理がもう限界——解体を考えはじめて、「補助金はあるのか」と調べに来た方が多いと思います。

結論から言うと、あるかどうか・いくらかは、市によって天と地の差です。

編集部は今回、全国32の市区について、解体(除却=取りこわし)の補助制度を公式ページで1つずつ確認しました。分かったのは、上限20万円の市から160万円の市まで最大8倍の差があること。そして「大きい市なら手厚いだろう」が、解体でも逆だったことです。

この記事は、その調査結果の全体像です(確認日2026年7月17日)。自分の市の金額は市区町村別の解体補助DBで個別に確認できます。

調査の方法

✎ 私の調査メモ

編集部が2026年7月に、全国32市区の公式サイト(lg.jpなど)を1つずつ開き、解体・除却の補助制度の有無、補助率、上限額、対象の条件、受付期間を確認しました。検索で上に出てくる民間まとめサイトの数値は使わず、市の公式ページで現行の値を確認できたものだけを採用しています。対象は政令指定都市・県庁所在地を中心に、制度が手厚いことで知られる市を加えた32市区です(全国すべての市町村を網羅した調査ではありません)。

32市区の内訳は、次のとおりでした。

結果 市の数 内容
空き家向けの解体補助あり 23 老朽・危険空き家の解体費を補助
空き家専用はないが、旧耐震の除却補助あり 6 昭和56年5月以前の住宅の解体費が対象
全市向けの解体補助が見当たらない 3 川崎市・新潟市・京都市

※ 表は横にスクロールできます

わかったこと1:上限額は20万円〜160万円、最大8倍の差

基本の上限額がいちばん低かったのは20万円(北本市・千葉市)。いちばん高かったのは160万円(松山市の島しょ部。本土部は100万円)でした。同じ「空き家の解体」で、住んでいる市によって受け取れる上限が8倍違うことになります。

全体の分布はこうです。

基本の上限額 市の数
20万円台 2 北本市千葉市
30万円台 4 北九州市鹿児島市
40万円台 2 名古屋市熊本市
50万円台 10 札幌市仙台市広島市など
60〜70万円台 6 神戸市佐賀市宇都宮市大阪市など
100万円以上 5 高崎市長野市静岡市松山市足立区

※ 表は横にスクロールできます

中央値は50万円。「解体補助は50万円くらい」という感覚は当たらずとも遠からずですが、自分の市が20万円側か100万円側かで、話はまったく変わります。

補助率にも差があります。工事費の3分の1の市が最多で、2分の1がそれに続きます。高いところでは、足立区9割高崎市松山市5分の4が突出していました。一方で千葉市・福岡市は23%という控えめな設定です。

わかったこと2:「危険な空き家」だけが対象——住んでいる家は出ない

もう1つ、調べる前に知っておくべき事実があります。ほとんどの市で、対象は「危険と判定された空き家」や「長期間使われていない家」に限られます。

  • 札幌市は、原則1年以上使われていない建物で、市の事前確認により「危険性がある」と判定されたものが対象
  • 名古屋市は、市の危険度評価が75点以上で除却費の3分の1(125点以上なら3分の2)と、危険度の点数で補助率まで変わります
  • 松山市は、不良度判定100点以上で、倒壊時に道路へ支障が出るおそれのあるもの
  • 高崎市のように危険判定のない市もありますが、その場合も「10年以上使われていない」という長い年数条件が付きます

つまり、いま住んでいる家の建て替えにともなう解体や、まだ使える空き家の解体には、原則出ません。「実家を早めにたたみたい」という段階では対象外で、皮肉なことに、傷んでからのほうが補助は出やすい制度設計です(だからこそ、放置して危険になる前の売却・活用と、補助を使う解体の比較が大事になります)。

わかったこと3:補助が「ない」3市は、すべて政令指定都市

今回、全市向けの解体補助が見当たらなかったのは川崎市新潟市京都市の3市——すべて政令指定都市です。

逆に、上限100万円以上の手厚い市は、高崎市・長野市・静岡市・松山市と、中規模の市に集中していました。政令市でも福岡市30万円・北九州市30万円・鹿児島市30万円と、大都市は控えめな水準が目立ちます。

当サイトが外壁塗装の助成金を全国91市で調べたときも、「大都市ほど『ない』と明言している」という同じ構図が出ました。「大きい市のほうが手厚いだろう」という思い込みは、解体でも逆です。

わかったこと4:空き家専用の制度がなくても、「旧耐震の除却」ルートがある

千葉市横浜市大阪市堺市福岡市足立区の6市区には、空き家専用の解体補助はありませんでした。かわりにあるのが、旧耐震住宅(昭和56年5月以前に建てられた家)の除却補助です。

地震で倒れるおそれのある古い家を減らすための制度ですが、旧耐震の空き家の解体にも実質使えます。特に足立区は除却工事費の9割・上限150万円(特定の地域は200万円)と、今回調べた中で最も手厚い水準でした。

「うちの市には空き家の解体補助がない」で調べるのをやめると、このルートを見落とします。

わかったこと5:受付は短く、年度で条件が動く

解体補助は、ほぼすべての市で年度ごとの予算制です。受付期間も短く、たとえば札幌市の令和8年度受付は5月15日〜9月30日(危険判定の事前確認依頼は9月16日まで)。予算に達すれば、期間内でも締め切られます。

一方で、年度替わりに条件が良くなる市もあります。令和8年度には、堺市が上限50万円→60万円(長屋・共同住宅は100万円→120万円)へ、松山市が80万円→100万円(島しょ部120万円→160万円)へ増額しました。

つまり、去年調べた情報も、まとめサイトの古い情報も、そのままでは使えません。年度が変わったら、市の公式ページで現行の金額と受付状況を確認し直すのが確実です。

だから、調べる順番はこうなる

  1. 自分の市に制度があるかを見る——市区町村別の解体補助DBか、市の公式ページで「◯◯市 空き家 解体 補助」を確認。空き家専用がなければ「旧耐震 除却 補助」でもう一度探す
  2. 対象の条件を見る——危険判定・年数条件・所有者の条件(相続人可か・税の滞納がないか)を確認。市の事前調査が必要な市が多い
  3. 契約の前に市へ相談する——申請が通ってから契約・着工が鉄則。受付期間と予算の残りもここで確認

解体費用そのものの相場(30坪・40坪・50坪でいくらか)は家の解体費用の早見表に、制度の全体像は空き家解体補助金の解説にまとめています。解体後に土地の固定資産税がどうなるかは「6倍になる?」の検証記事をどうぞ。

よくある質問

空き家の解体補助金は、どこの市でももらえますか?

もらえません。編集部が全国32市区の公式ページを調べた結果、空き家向けの解体補助があったのは23市。6市は空き家専用の制度はなく、旧耐震住宅の除却補助が実質の受け皿でした。川崎市・新潟市・京都市の3市は、全市向けの解体補助が見当たりませんでした。まず自分の市に制度があるかを、市の公式ページで確認するのが出発点です。

補助額はいくらくらいですか?

市によって大きく違います。今回調べた範囲では、基本の上限額は20万円(北本市・千葉市)から160万円(松山市の島しょ部)まで、最大8倍の開きがありました。中央値は50万円で、50万円台の市がいちばん多い結果です。補助率は工事費の3分の1の市が最多で、次に2分の1。高いところでは足立区の9割、高崎市・松山市の5分の4があります。

住んでいる家や、まだ使える家の解体にも補助は出ますか?

ほとんどの市で出ません。多くの制度は「危険と判定された空き家」や「1年以上(市によっては10年以上)使われていない家」が条件で、市の事前調査や危険度の点数判定を通ることが前提です。いま住んでいる家の建て替えにともなう解体は、原則対象外と考えてください(旧耐震住宅の除却補助という別ルートを持つ市はあります)。

申請はいつすればいいですか?

工事の契約・着工のまえです。今回調べた市は、ほぼすべてが「市の承認(交付決定)を受けてから契約・着工」を条件にしていて、先に工事を始めると対象外になります。また受付期間が短い市が多く(例:札幌市は5月中旬〜9月末)、年度の予算に達すると締め切られます。解体を決めたら、業者と契約する前に市の窓口へ相談してください。

まとめ:この調査で分かった5つのこと

  • 32市区のうち、空き家の解体補助があるのは23市。6市は旧耐震除却ルート、3市(川崎・新潟・京都)は見当たらない
  • 上限額は20万円〜160万円で最大8倍の差。中央値は50万円、補助率は3分の1が最多
  • 対象は**「危険な空き家」「長期間使われていない家」**がほとんど。住んでいる家の解体は原則対象外
  • 補助なしの3市はすべて政令市。手厚いのはむしろ中規模の市——「大きい市なら安心」は逆
  • 受付は短く予算制。令和8年度に増額した市(堺・松山)もある——年度が変わったら現行の公式情報で調べ直す

※本記事は2026年7月17日時点で各市の公式ページを確認した調査です。サンプルは政令市・県庁所在地中心の32市区で、全国の市町村を無作為に選んだものではありません。補助制度は年度・予算の状況で変わります。申請前に必ず、お住まいの市の公式ページ・窓口で最新の条件をご確認ください。

参考情報

家の補助金ナビ編集部

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