認定切れ・申請中・区分変更中に住宅改修はできるか——「工事した日」ではなく「認定の有効期間内に完成した部分」で決まります
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退院の日が迫っているのに、認定の結果がまだ出ない。あるいは、更新の時期と工事の時期が重なってしまった——住宅改修でいちばん相談が多いのが、この「タイミングが噛み合わない」問題だと思います。
結論から言うと、認定の申請中でも、区分変更の申請中でも、工事のまえの申請と着工はできます。 待つ必要はありません。
ただし、支給が決まるのは結果が出てからです。そして更新で認定が切れた場合の扱いには、独特の考え方があります。工事をした日ではなく、認定の有効期間内にどこまで完成していたかで区切るのです。
この記事では、相模原市・泉佐野市・八王子市の公式資料(確認日2026年8月3日)で確認した内容だけで整理します。
先に結論
✓ ここが要点
申請中でも着工できます。 工事のまえの申請も可能です。ただし工事のあとの申請は、結果が出てからになります。 非該当なら全額自己負担です。 ここは3市とも同じでした。 認定の申請前に着工した工事は対象外。 申請を先に済ませたかどうかで結果が変わります。 更新で認定が切れたら——有効期間の末日までに完成した部分だけが対象です。 非該当でも、市の制度がある場合があります。 当サイトが確認した300市区町村のうち33市区町村で、認定を受けていない方向けの上限額を確認できました。
認定の結果を待つ必要はありません
まず、いちばん相談の多い状況からです。
相模原市の公式Q&Aは、こう書いています。
要介護(要支援)認定の申請中であっても、住宅改修の事前申請を行うことはできます。ただし、認定結果が「非該当」となった場合は、介護保険の対象とならないため、改修費用は全額自己負担になります。
泉佐野市も同じ扱いです。認定申請中の方が結果の通知前に工事のまえの申請をして着工することは可能で、工事のあとの申請は結果が出てからになる、としています。
八王子市は「緊急を要する場合は、認定結果が決定される前に住宅改修の事前申請を行うことは可能です」としたうえで、非該当になった場合は支給できないと明記しています。
つまり、進めることはできます。 ただし結果が非該当なら、費用は全額が自己負担になります。
! ここに注意
泉佐野市は、業者が申請を代行する場合について「その旨を本人に説明し、了承を得たうえで事前申請してください」と念を押しています。この条件が説明されないまま着工が進むことがある、という前提で書かれた一文です。 着工の前に、非該当だった場合の金額を家族で確認しておいてください。
申請「前」の工事は、対象になりません
一方で、はっきり対象外になるものがあります。認定の申請をするより前に着工した工事です。
相模原市は「要介護認定申請前に着工した住宅改修については、住宅改修の対象と認められません。介護保険の対象とならないため、改修費用は全額自己負担になります」としています。八王子市も、申請前や認定の有効期間外に行った住宅改修は対象にならないとしています。
ここは差が大きいところです。申請中なら進められて、申請前だとだめ。 分けているのは、認定の申請を出したかどうかだけです。
工事を考え始めた時点で、まず認定の申請だけでも済ませておく。この順番が、そのまま金額の差になります。
なお、要支援・要介護の認定を受けていない「事業対象者」については、八王子市は介護保険の住宅改修の対象にならず、住宅改修が必要な場合は認定の申請が必要としています。被保険者証の「要介護状態区分等」の欄で確認できます。
更新で非該当になったときの区切り方
ここがいちばん分かりにくいところです。工事の途中で認定が切れた、あるいは更新して非該当になった場合の扱いです。
相模原市はこう書いています。
総工事期間のうち、要介護(要支援)認定の有効期間末日までに完成された部分の工事費用についてのみ住宅改修費を支給します。
泉佐野市も「認定有効期間内に行われた改修工事が保険給付の対象です」としています。
工事をした日ではなく、どこまで終わっていたかで区切ります。 手すりが3か所のうち2か所終わっていれば、その2か所分が対象になる、という考え方です。
| 起きたこと | 扱い |
|---|---|
| 着工したあとに、更新で非該当になった | 有効期間の末日までに完成した部分まで対象 |
| 着工する前に、非該当になった | 対象外 |
| 認定の申請中に着工し、結果が非該当だった | 対象外(全額自己負担) |
| 区分変更の申請中に着工した | 結果が出てから支給が決まる |
※ 表は横にスクロールできます
(相模原市・泉佐野市・八王子市の公式資料より。確認日2026年8月3日)
着工したかどうかが、大きな分かれ目になっています。 認定の期限が近いことが分かっているなら、更新の申請と工事の段取りをケアマネジャーと一緒に組んでください。
区分変更中は、完了届が止まります
区分変更の申請中も、工事のまえの申請と着工はできます。八王子市は、新規申請・区分変更申請中に改修した場合は認定結果が出てから住宅改修費を支給する、としています。
ただし手続きの流れが変わります。同市の手引きには、事業者向けの注意としてこう書かれています。
新規申請・区分変更中や入院中は完了届を受け付けできません。認定結果が出てから、または退院後に提出してください。
工事が終わっても、結果が出るまで手続きが完了しない、ということです。
! ここに注意
区分変更には、もう1つ考えることがあります。介護度が大きく上がると、20万円の枠が再び使える場合があるからです。判定は次に着工する日の状態区分で行われるため、結果が出る前に着工するか、待つかで結果が変わることがあります。条件は20万円の枠がもう一度使える2つの場合にまとめました。急ぎでなければ、着工の時期をケアマネジャーと相談してください。
承認の有効期限は、市で違います
工事のまえの申請が承認されたあと、いつまでに着工すればよいのか。ここも市で分かれていました。
| 泉佐野市 | 相模原市 | |
|---|---|---|
| 工事のまえの申請の承認の有効期限 | 結果通知日より1年間(過ぎると再申請) | 着工までの有効期限はありません |
| 工事のあとの申請の期限 | 代金を完済した日(領収日)の翌日から2年で時効 | 領収日の翌日から2年以内 |
※ 表は横にスクロールできます
工事のあとの申請が「領収日の翌日から2年」である点は両市で一致しています。一方、承認から着工までの期限は、片方が1年、もう片方は期限なしでした。
認定の更新をまたぐような長い工事を考えている場合は、ここを確認しておく価値があります。
なお、市外から引っ越してきた直後で被保険者証の番号がまだ決まっていない場合について、相模原市は工事のまえの申請はできるとしたうえで、転入した日から14日以内に介護保険被保険者証の手続きを行えば転入前の介護度と同じになる、としています。期限を過ぎると新規の申請と同じ扱いになるため、引っ越し直後の方は先に手続きを済ませてください。
非該当になった場合の受け皿
介護保険が使えないと分かったあとに、道が残っていることがあります。
八王子市には「高齢者自立支援住宅改修給付事業」があります。認定で非該当と判定された方のうち、日常生活の動作に困難があり、住宅の改修を行えば自立した日常生活を営むことができると市の相談センターが認めた65歳以上の方が対象で、上限20万円・自己負担1割。対象になる工事は介護保険と同じ6種類です。
これは八王子市だけの話ではありません。
✎ 私の調査メモ
当サイトの編集部は、2026年7月から8月にかけて、300市区町村の公式ページを1つずつ開き、介護保険とは別の市区独自の住宅改修助成を確認しました。そのうち、認定を受けていない自立の方向けの上限額を公式ページで確認できたのは33市区町村です。金額は、砺波市の30万円、府中市・小牧市などの20万円、日立市の14万円から18万円、京都市の16万円、さいたま市の15万円、諏訪市の9万円、島原市の3万円まで幅がありました。
この数字は「制度の中身」を集めたデータを読み直したもので、33市区町村以外に無いという意味ではありません。上限額が公式ページに書かれていない市や、別の名前で似た制度を持つ市があります。認定を受けていない層も対象に含む制度の全体像は介護リフォームの上乗せ補助を全国300市区町村で調べたらにまとめています。
非該当と言われた時点であきらめず、市の高齢福祉の窓口で「認定がなくても使える住宅改修の制度はありますか」と聞いてみてください。お住まいの市の内容は市区町村別の介護リフォームのページで確認できます。
よくある質問
要介護認定の申請中でも、住宅改修はできますか?
工事のまえの申請と着工はできます。相模原市は「要介護(要支援)認定の申請中であっても、住宅改修の事前申請を行うことはできます」としています。泉佐野市も、結果の通知前に工事のまえの申請をして着工することは可能としたうえで、工事のあとの申請は認定結果が出てからになるとしています。ただし結果が非該当だった場合は介護保険の対象にならず、費用は全額が自己負担になります。八王子市は、緊急を要する場合は結果が出る前でも申請できるとしつつ、非該当になった場合は支給できないと明記しています。
認定の申請をする前に工事をしてしまいました。あとから申請できますか?
できません。相模原市は「要介護認定申請前に着工した住宅改修については、住宅改修の対象と認められません」としています。八王子市も、要支援・要介護認定の申請前や認定の有効期間外に住宅改修を行った場合は対象にならないとしています。申請だけでも先に済ませておくかどうかで結果が変わりますので、工事を考え始めた時点で市の窓口か地域包括支援センターに相談してください。
工事の途中で認定が切れた、または更新で非該当になった場合はどうなりますか?
認定の有効期間内に完成していた部分だけが対象になります。相模原市は「総工事期間のうち、要介護(要支援)認定の有効期間末日までに完成された部分の工事費用についてのみ住宅改修費を支給します」としています。泉佐野市も「認定有効期間内に行われた改修工事が保険給付の対象です」としています。工事をした日ではなく、どこまで終わっていたかで区切る考え方です。なお、工事に着工する前に非該当となった場合は対象外です。
区分変更の申請中に工事をしてもいいですか?
できます。八王子市は、新規申請・区分変更申請中に改修した場合は認定結果が出てから住宅改修費を支給するとしています。ただし工事のあとの手続きは待つことになり、同市は新規申請・区分変更中は完了届を受け付けられないため、認定結果が出てから提出するよう案内しています。区分変更の結果によっては20万円の枠が再び使える場合があるため、結果が出る前に着工するかどうかは、ケアマネジャーと市の窓口に相談してから決めてください。
非該当になってしまいました。ほかに使えるお金はありませんか?
市区町村の制度が候補になります。八王子市には、認定で非該当と判定された方のうち、住宅の改修を行えば自立した日常生活を営むことができると市の相談センターが認めた方を対象にした「高齢者自立支援住宅改修給付事業」があり、上限20万円・自己負担1割で介護保険と同じ6種類の工事に使えます。当サイトが公式ページで確認した300市区町村のうち、認定を受けていない方向けの上限額を確認できたのは33市区町村でした。金額は3万円から30万円まで幅があります。お住まいの市に同じ制度があるかを、高齢福祉の窓口で確認してください。
まとめ
- 認定の申請中でも、着工できます。 結果を待つ必要はありません
- ただし非該当なら全額自己負担です。 着工の前に金額を家族で確認してください
- 認定の申請前に着工した工事は対象外。 申請を先に済ませたかどうかで結果が変わります
- 更新で認定が切れたら、有効期間の末日までに完成した部分まで。 工事をした日ではなく、どこまで終わっていたかで区切ります
- 区分変更中は完了届が止まります。 結果が出てから提出することになります
- 承認の有効期限は市で違います。 泉佐野市は1年、相模原市は期限なしでした
- 非該当でも受け皿がある市があります。 当サイトが確認した300市区町村のうち、認定を受けていない方向けの上限額を確認できたのは33市区町村でした
※本記事の制度情報は、各市の公式資料を2026年8月3日に確認したものです。市区町村の制度に関する集計は、当サイトが2026年7月〜8月に300市区町村の公式ページで確認した記録にもとづきます。認定と工事の時期が重なった場合の取扱いは市区町村ごとに異なります。対象になるかどうかの最終的な判断は市区町村にあります。申請前に必ずお住まいの市区町村の公式ページ・窓口でご確認ください。
参考情報(出典)
- 介護保険 住宅改修のQ&A 令和6年4月改定版(相模原市)(確認日 2026-08-03)
- 介護保険住宅改修 Q&A 泉佐野市版(泉佐野市)(確認日 2026-08-03)
- 介護保険・高齢者自立支援 住宅改修の手引き(八王子市 福祉部介護保険課)(確認日 2026-08-03)
- 市区町村の制度=当サイトが公式ページで確認した記録(300市区町村)。各市の出典URLと確認日は市区町村別の介護リフォームのページに記載しています
家の補助金ナビ編集部
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