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介護リフォームの上乗せ補助を全国300市区町村で調べたら、東京23区は100%・それ以外の市は42%でした

公開 2026年7月18日最終更新 2026年8月1日執筆 家の補助金ナビ編集部

親の家に手すりを付けたい、お風呂を直したい——介護保険の住宅改修(上限20万円)を調べるうちに、「市の上乗せもあるらしい」と知って、実際どうなのかを確かめに来た方が多いと思います。

編集部が全国300市区町村の公式ページを1つずつ確認したところ、上乗せがあったのは145市区町村でした。全体の48.3%=おおよそ2市に1市です。

ただ、この「半分」という数字には、大きな偏りが隠れていました。東京23区は23区すべてにある一方、23区と政令指定都市を除いた市では42.0%。住んでいる場所で、2倍以上の差があります。

そしてもう1つ、正直に書いておきたいことがあります。この記事は、前回の調査結果を自分で訂正するものです。 7月に39市区を調べたときは「89.7%にある」と書きました。今回300市区町村に広げたら、48.3%まで下がりました。制度が減ったのではありません。前回の対象が大都市に偏っていたのです。

この記事は、その調査結果の全体像です(確認日2026年7〜8月)。自分の市の制度は市区町村別の介護リフォームDBで個別に確認できます。

先に結論:調べてわかった5つのこと

✓ ここが要点

① 上乗せがあったのは145市区町村(48.3%)——300市区町村のうち、おおよそ2市に1市です。 ② 住む場所で2倍以上の差——東京23区は100%、23区と政令指定都市を除いた市は42.0%でした。 ③ 政令指定都市でも6市に上乗せが無い——横浜・名古屋・札幌・堺・相模原・静岡。「大きい市なら手厚い」は当てになりません。 ④ 上限は5万円〜200万円——ただし所得で助成率が変わる市が多く、上限額の比較だけでは自分にいくら出るかは分かりません。 ⑤ 認定を受けていない人も対象に含む制度が111市区町村——上乗せがあった145市区町村のうちです。「認定がないから無理」が、いちばんもったいない思い込みです。

共通のルールは工事を始めるまえに申請することだけでした。以下、一つずつ見ていきます。

調査の方法

✎ 私の調査メモ

編集部が2026年7月から8月にかけて、東京23区・政令指定都市20市・県庁所在地に各県の人口上位市を加えた計300市区町村の公式サイト(lg.jpなど)を1つずつ開き、介護保険の住宅改修(全国共通・上限20万円)とは別の、市区独自の住宅改修助成の有無・金額・条件を確認しました。民間まとめサイトの数値は使わず、公式ページで確認できたものだけを採用しています。「制度が見当たらない」という結論も、公式の一覧・補助金一覧・例規集のいずれかで確認したうえで掲載しました。この300市区町村は、全国1,741市区町村を網羅した調査でも、無作為に選んだものでもありません。

300市区町村の内訳は、次のとおりでした。

結果 市区町村の数 割合
独自の上乗せあり 145 48.3%
介護保険の住宅改修が中心(上乗せなし) 155 51.7%

※ 表は横にスクロールできます

前回調査(39市区)からの変化

前回(2026年7月・39市区) 今回(2026年8月・300市区町村)
上乗せがあった割合 89.7%(35/39) 48.3%(145/300)

※ 表は横にスクロールできます

率が半分以下になったのは、制度が減ったからではありません。前回の39市区が東京23区・政令市・中核市に偏っていたからです。今回その外側にある市を大量に加えたところ、実像はこうなりました。

自分たちの前回の数字を否定することになりますが、調査対象の選び方で結論が変わるという事実こそ、この調査でいちばん大事な発見だと考えています。

わかったこと1:東京23区は100%、それ以外の市は42%

いちばん大きかったのは、地域差です。

区分 調べた数 上乗せあり 割合
東京23区 23 23 100%
政令指定都市 20 14 70.0%
それ以外の市区町村 257 108 42.0%

※ 表は横にスクロールできます

東京23区は、23区すべてに独自の上乗せ制度がありました。名称は「高齢者自立支援住宅改修」「住宅設備改修給付」など区ごとに違いますが、介護保険では足りない・対象にならない工事を区が補う、という構造は共通です。

金額の大きい例をあげると——

  • 江戸川区:住まいの改造助成は総額200万円のわく(浴そうの取りかえ37.9万円、洋式トイレ10.6万円など品目別)。段差解消機・いす式階段昇降機・ホームエレベーターも各200万円
  • 練馬区千代田区台東区:いす式階段昇降機に上限100万円級のわく
  • 葛飾区:いす式階段昇降機は本体97.9万円+設置35.3万円

「介護保険は20万円まで」という常識は、東京23区では入口の1階部分にすぎません。階段昇降機のような大きな設備まで視野に入るかどうかは、住んでいる区で決まります。

一方、23区と政令市を除いた257市区町村で上乗せがあったのは108市=42.0%。同じ工事でも、住所が違うだけで受け取れる額が変わります。これは制度の良し悪しではなく、市の財政規模や高齢者施策の重点の置き方の違いです。

わかったこと2:政令指定都市でも、6市に上乗せが無かった

人口が多ければ手厚い、とは限りません。政令指定都市20市のうち、高齢者向けの独自上乗せが見当たらなかったのは次の6市でした。

横浜市名古屋市札幌市堺市相模原市静岡市

特に横浜市は、以前あった「高齢者等住環境整備事業」を令和6年(2024年)3月末で終了しました。「昔は制度があった」市でも、いまは無いことがある——古いまとめ記事の情報がそのまま通用しない実例です。

なお、これらの市でも障害のある方向けの住宅改修助成は別のわくで残っています(横浜市は上限120万円、名古屋市は80万円、堺市は50万円)。「高齢者向けが無い=何も無い」ではないので、該当する方は障害福祉の窓口も確認してください。

当サイトの調査シリーズでは、空き家解体でも「補助が見当たらない率は政令市20%・それ以外12.9%」と、大都市ほど薄い構図が出ています。介護リフォームも同じでした——ただし東京23区だけは例外で、全区にあります。「大きい市だから安心」は通用しません。

わかったこと3:上限は5万円〜200万円。ただし「所得しだい」の市が多い

上乗せの金額は、市によって大きく違います。

上乗せの上限の例 市区
総額200万円 江戸川区
100万円 川崎市神戸市(介護保険分を差し引き後)・西宮市(介護保険分を含む)
60〜70万円 千葉市(70万円)・仙台市広島市(各60万円)
30〜50万円 船橋市(50万円)・福岡市さいたま市(各30万円)
5〜30万円(所得で変動) 大阪市(非課税世帯30万円・課税の混じる世帯5万円)

※ 表は横にスクロールできます

ここで大事なのは、介護リフォームの上乗せは、「所得によって助成率・上限が変わる」市が多いことです。仙台市は工事費の3/4、船橋市は課税世帯50%・非課税世帯100%、福岡市は介護保険料の段階に応じて100〜10%(高所得層は対象外)——同じ市でも、世帯の状況で受け取れる額が数倍変わります。

ブロック塀や解体の補助と違い、「上限額の比較」だけでは自分の額が分からないのが介護リフォームです。だからこそ、見積もりの前に市の窓口で「うちの場合はいくらか」を確認する一手間が効きます。

わかったこと4:認定がなくても使える枠が、111市区町村にあった

もう1つの発見が、要介護認定を受けていない人向けの枠の多さです。上乗せがあった145市区町村のうち、111市区町村の制度は、認定を受けていない層も対象に含んでいました(介護保険が対象にしない部分を補う「補完」型57市+認定の有無で使い分ける「複合」型54市)。

なお、これは「認定のない人も対象に含んでいる」市の数です。そのうち上限額まで公式ページで確認できたのは33市区町村でした(金額の一覧は認定切れ・申請中の住宅改修にあります)。

  • 東京23区の多く+府中市:上限20万円(介護保険とほぼ同じ内容を、認定のない人に提供)
  • 北区板橋区:上限10万円
  • さいたま市:上限15万円(介護予防)
  • 京都市:費用の2/3・上限16万円

「まだ認定を受けるほどでは……」という段階の転倒予防工事こそ、この枠の出番です。荒川区のように、認定を受けたことがない70歳以上の方向けの手すり専用給付(上限6万円)を持つ区もあります。「認定がないから補助はない」という思い込みが、いちばんもったいない——これがこの調査の実感です。

✎ 私の調査メモ

なお、自立の方向けの給付額(予防給付)は、当サイトのデータベースでも記載を確認できた市が33市にとどまっています。制度が無いのではなく、公式ページに金額まで書いていない市が多いためです。金額は市の高齢福祉の窓口でご確認ください。

わかったこと5:どの市も「工事の前の申請」。ここだけは全国共通

300市区町村の制度はバラバラでしたが、1つだけ共通点があります。ほぼすべての市区で、工事を始める前の申請が条件です。介護保険の住宅改修も同じルールなので、上乗せと併用する場合は二重に効いてきます。

先に工事をしてしまうと、介護保険も上乗せも受け取れません。順番は「ケアマネジャー・地域包括支援センターに相談→市へ事前申請→承認→着工」——詳しい流れは介護保険の住宅改修の使い方にまとめています。

だから、調べる順番はこうなる

  1. 介護保険の20万円を土台に置く——認定(要支援1以上)があれば全国共通で使える。使い方はこちら
  2. 自分の市の上乗せを見る——市区町村別の介護リフォームDBか、市の公式ページで「◯◯市 高齢者 住宅改修 助成」を確認。半分の市には上乗せが無いので、無くても落胆しなくて大丈夫です。認定がない場合も、自立の方向けの枠がないか見る
  3. 市の窓口で「うちの場合」を確認する——所得で助成率が変わる市が多い。見積もりの前に、世帯の課税状況でいくらになるかを聞く
  4. 工事の前に申請する——介護保険・上乗せとも着工前が鉄則

お金の全体像(介護保険+上乗せ+税金の軽減の3階建て)は介護リフォーム補助金のしくみ、手すり・トイレなど工事別の深掘りは手すりの取り付け和式から洋式トイレへの交換をどうぞ。

よくある質問

介護リフォームの補助は、介護保険の20万円だけですか?

市区町村によります。編集部が全国300市区町村の公式ページを調べた結果、上乗せがあったのは145市区町村=48.3%でした。ただし東京23区は23区すべてにある一方、23区と政令指定都市を除いた市では42.0%と差があります。上乗せが無い市では、介護保険の20万円+税金の軽減の2階建てになります。まず自分の市に上乗せがあるかを確認するのが出発点です。

上乗せはいくらくらいもらえますか?

市によって大きく違います。今回の調査では、江戸川区の総額200万円、川崎市・神戸市・西宮市の100万円、千葉市の70万円、仙台市・広島市の60万円から、大阪市の5万円(住民税課税世帯の場合。非課税世帯は30万円)まで幅がありました。多くの市で所得(住民税の課税状況)によって助成率や上限が変わるため、「うちの場合はいくらか」は市の窓口での確認が必要です。

要介護認定を受けていなくても使える補助はありますか?

ある市区が意外と多いです。上乗せがあった145市区町村のうち111市区町村の制度は、認定を受けていない層も対象に含んでいました。東京23区の多く+府中市は上限20万円(北区・板橋区は10万円)、さいたま市は上限15万円、京都市は費用の3分の2・上限16万円です。「認定がないから何も使えない」とあきらめる前に、市の高齢福祉の窓口で確認する価値があります。

申請はいつすればいいですか?

工事を始めるまえです。介護保険の住宅改修も、市区の上乗せも、ほぼすべてが着工前の申請を条件にしていて、先に工事をすると対象外になります。まずケアマネジャーか地域包括支援センターに相談し、市の承認を待ってから着工してください。

まとめ:この調査で分かった5つのこと

  • 300市区町村中145市区町村(48.3%)に独自の上乗せがあった。ただし東京23区は100%・それ以外の市は42.0%と、住む場所で2倍以上の差
  • 前回39市区で調べたときは89.7%だった。対象を大都市中心から300市区町村へ広げたら半分以下に——調査対象の選び方で結論は変わる
  • 政令指定都市20市のうち6市に上乗せが無かった(横浜・名古屋・札幌・堺・相模原・静岡)。横浜は令和6年3月末で制度を終了
  • 上限は5万円〜200万円と幅広いが、介護リフォームは所得で助成率が変わる市が多い——上限額の比較だけでは自分の額は分からない
  • 認定がなくても使える枠が111市区町村にあった。「認定がないから無理」という思い込みがいちばんもったいない
  • 共通ルールは工事の前の申請だけ。相談→申請→承認→着工の順番を守る
  • 自分の市の制度は市区町村別DB、お金の全体像は3階建てのしくみ

※本記事は2026年7月から8月にかけて各市区町村の公式ページを確認した調査です。サンプルは東京23区・政令指定都市20市・県庁所在地に各県の人口上位市を加えた300市区町村で、全国1,741市区町村を網羅したものでも、無作為に選んだものでもありません。

※助成が受けられるかどうか・金額は、世帯の所得状況や市の予算で変わります。工事の前に、必ずケアマネジャー・市の窓口で最新の条件をご確認ください。

参考情報

この調査データ(2026年版

確認:2026年7〜8月

家の補助金ナビ編集部が、300市区町村・47都道府県を各自治体の公式ページで1件ずつ確認した調査です。無作為に選んだ全国サンプルではなく、割合は調べた範囲での数字(全国平均ではありません)。出典を明記していただければ、報道・記事・研究に引用いただけます。

145/300

独自の上乗せ補助があった市区(48.3%)

23/23区

東京23区は全区にあり(100%)

42.0%

23区・政令市を除いた市の実施率

6市

上乗せが確認できなかった政令市

このデータを引用する

この調査結果・数値は、出典を明記していただければ引用・転載していただけます。引用のときは、次の出典表記とリンクを添えてください(各制度の元の出典は各自治体の公式ページです)。

出典:家の補助金ナビ「介護リフォームの上乗せ補助 全国調査データ(2026年版)」(各自治体の公式ページより・確認日つき)
https://ie-hojokin.com/articles/kaigo-hojokin-survey

住宅リフォーム4工種の調査をまとめた住宅リフォーム補助金 全国調査(2026年版)もあります。

家の補助金ナビ編集部

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