介護リフォームの上乗せ補助を全国39市区で調べたら、「なし」は4市——すべて政令指定都市でした
本記事にはアフィリエイト広告(PR)を含みます。掲載サービスは広告の有無ではなく、当サイトの掲載基準に沿って選んでいます。掲載基準
親の家に手すりを付けたい、お風呂を直したい——介護保険の住宅改修(上限20万円)を調べるうちに、「市の上乗せもあるらしい」と知って、実際どうなのかを確かめに来た方が多いと思います。
結論から言うと、上乗せは「ある市が多数派」です。編集部が全国39市区の公式ページを1つずつ確認したところ、35市区に独自の上乗せ補助がありました。東京23区にいたっては、全区にあります。
そして今回も、意外な構図が出ました。「上乗せなし」の4市は、すべて政令指定都市です。
この記事は、その調査結果の全体像です(確認日2026年7月11日)。自分の市の制度は市区町村別の介護リフォームDBで個別に確認できます。
調査の方法
✎ 私の調査メモ
編集部が2026年7月に、東京23区・政令指定都市13市・中核市など計39市区の公式サイト(lg.jpなど)を1つずつ開き、介護保険の住宅改修(全国共通・上限20万円)とは別の、市区独自の住宅改修助成の有無・金額・条件を確認しました。民間まとめサイトの数値は使わず、公式ページで確認できたものだけを採用しています。「制度が見当たらない」という結論も、公式の一覧や案内ページで確認したうえで掲載しました。今回の39市区は、全国すべての市町村を網羅した調査ではありません。
39市区の内訳は、次のとおりでした。
| 結果 | 市区の数 | 内容 |
|---|---|---|
| 独自の上乗せあり | 35 | 介護保険とは別の住宅改修助成を持つ |
| 高齢者向けの上乗せなし | 4 | 横浜市・名古屋市・札幌市・堺市(いずれも政令市) |
※ 表は横にスクロールできます
わかったこと1:東京23区は「全区」にあった
まず、地域差の大きさです。東京23区は、23区すべてに独自の上乗せ制度がありました。名称は「高齢者自立支援住宅改修」「住宅設備改修給付」など区ごとに違いますが、介護保険では足りない・対象にならない工事を区が補う、という構造は共通です。
金額の大きい例をあげると——
- 江戸川区:住まいの改造助成は総額200万円のわく(浴そうの取りかえ37.9万円、洋式トイレ10.6万円など品目別)。段差解消機・いす式階段昇降機・ホームエレベーターも各200万円
- 練馬区・千代田区・台東区:いす式階段昇降機に上限100万円級のわく
- 葛飾区:いす式階段昇降機は本体97.9万円+設置35.3万円
「介護保険は20万円まで」という常識は、東京23区では入口の1階部分にすぎません。階段昇降機のような大きな設備まで視野に入るかどうかは、住んでいる区で決まります。
わかったこと2:「上乗せなし」の4市は、すべて政令指定都市
逆に、高齢者向けの独自上乗せが見当たらなかったのは横浜市・名古屋市・札幌市・堺市の4市——すべて政令指定都市です。
特に横浜市は、以前あった「高齢者等住環境整備事業」を令和6年(2024年)3月末で終了しました。「昔は制度があった」市でも、いまは無いことがある——古いまとめ記事の情報がそのまま通用しない実例です。
なお4市とも、障害のある方向けの住宅改修助成は別のわくで残っています(横浜市は上限120万円、名古屋市は80万円、堺市は50万円)。「高齢者向けが無い=何も無い」ではないので、該当する方は障害福祉の窓口も確認してください。
当サイトの調査シリーズでは、外壁塗装と空き家解体で「大都市ほど制度が薄い」、ブロック塀撤去では「東京23区が突出して手厚い」という構図が出ています。介護リフォームは両方の性格を持っていました——23区は全区にあり、薄いのは政令市。どの工種でも、「大きい市だから安心」は通用しません。
わかったこと3:上限は5万円〜200万円。ただし「所得しだい」の市が多い
上乗せの金額は、市によって大きく違います。
| 上乗せの上限の例 | 市区 |
|---|---|
| 総額200万円 | 江戸川区 |
| 100万円 | 川崎市・神戸市(介護保険分を差し引き後)・西宮市(介護保険分を含む) |
| 60〜70万円 | 千葉市(70万円)・仙台市・広島市(各60万円) |
| 30〜50万円 | 船橋市(50万円)・福岡市・さいたま市(各30万円) |
| 5〜30万円(所得で変動) | 大阪市(非課税世帯30万円・課税の混じる世帯5万円) |
※ 表は横にスクロールできます
ここで大事なのは、介護リフォームの上乗せは**「所得によって助成率・上限が変わる」市が多い**ことです。仙台市は工事費の3/4、船橋市は課税世帯50%・非課税世帯100%、福岡市は介護保険料の段階に応じて100〜10%(高所得層は対象外)——同じ市でも、世帯の状況で受け取れる額が数倍変わります。
ブロック塀や解体の補助と違い、「上限額の比較」だけでは自分の額が分からないのが介護リフォームです。だからこそ、見積もりの前に市の窓口で「うちの場合はいくらか」を確認する一手間が効きます。
わかったこと4:認定がなくても使える給付が、22市区にあった
もう1つの発見が、要介護認定を受けていない人向けの給付の多さです。認定で「非該当(自立)」と判定された人などが使える住宅改修の給付が、39市区中22市区にありました。
「まだ認定を受けるほどでは……」という段階の転倒予防工事こそ、この枠の出番です。荒川区のように、認定を受けたことがない70歳以上の方向けの手すり専用給付(上限6万円)を持つ区もあります。「認定がないから補助はない」という思い込みが、いちばんもったいない——これがこの調査の実感です。
わかったこと5:どの市も「工事の前の申請」。ここだけは全国共通
39市区の制度はバラバラでしたが、1つだけ共通点があります。ほぼすべての市区で、工事を始める前の申請が条件です。介護保険の住宅改修も同じルールなので、上乗せと併用する場合は二重に効いてきます。
先に工事をしてしまうと、介護保険も上乗せも受け取れません。順番は「ケアマネジャー・地域包括支援センターに相談→市へ事前申請→承認→着工」——詳しい流れは介護保険の住宅改修の使い方にまとめています。
だから、調べる順番はこうなる
- 介護保険の20万円を土台に置く——認定(要支援1以上)があれば全国共通で使える。使い方はこちら
- 自分の市の上乗せを見る——市区町村別の介護リフォームDBか、市の公式ページで「◯◯市 高齢者 住宅改修 助成」を確認。認定がない場合も、自立の方向けの給付がないか見る
- 市の窓口で「うちの場合」を確認する——所得で助成率が変わる市が多い。見積もりの前に、世帯の課税状況でいくらになるかを聞く
- 工事の前に申請する——介護保険・上乗せとも着工前が鉄則
お金の全体像(介護保険+上乗せ+税金の軽減の3階建て)は介護リフォーム補助金のしくみ、手すり・トイレなど工事別の深掘りは手すりの取り付け・和式から洋式トイレへの交換をどうぞ。
よくある質問
介護リフォームの補助は、介護保険の20万円だけですか?
市区町村によります。編集部が全国39市区の公式ページを調べた結果、35市区には介護保険とは別の独自の上乗せ補助がありました。東京23区は全区にあります。一方、横浜市・名古屋市・札幌市・堺市の4市には高齢者向けの独自の上乗せが見当たらず、この場合は介護保険の20万円+税金の軽減の2階建てになります。まず自分の市に上乗せがあるかを確認するのが出発点です。
上乗せはいくらくらいもらえますか?
市によって大きく違います。今回の調査では、江戸川区の総額200万円、川崎市・神戸市・西宮市の100万円、千葉市の70万円、仙台市・広島市の60万円から、大阪市の5万円(住民税課税世帯の場合。非課税世帯は30万円)まで幅がありました。多くの市で所得(住民税の課税状況)によって助成率や上限が変わるため、「うちの場合はいくらか」は市の窓口での確認が必要です。
要介護認定を受けていなくても使える補助はありますか?
ある市区が意外と多いです。今回調べた39市区のうち22市区に、認定で「非該当(自立)」となった人などが使える給付がありました。東京23区の多く+府中市は上限20万円(北区・板橋区は10万円)、さいたま市は上限15万円、京都市は費用の3分の2・上限16万円です。「認定がないから何も使えない」とあきらめる前に、市の高齢福祉の窓口で確認する価値があります。
申請はいつすればいいですか?
工事を始めるまえです。介護保険の住宅改修も、市区の上乗せも、ほぼすべてが着工前の申請を条件にしていて、先に工事をすると対象外になります。まずケアマネジャーか地域包括支援センターに相談し、市の承認を待ってから着工してください。
まとめ:この調査で分かった5つのこと
- 39市区中35市区に独自の上乗せがあり、東京23区は全区にある。階段昇降機など100万円超のわくを持つ区も
- 「上乗せなし」4市(横浜・名古屋・札幌・堺)はすべて政令市。横浜は令和6年3月末で制度を終了——古い情報のままの判断は危ない
- 上限は5万円〜200万円と幅広いが、介護リフォームは所得で助成率が変わる市が多い——上限額の比較だけでは自分の額は分からない
- 認定がなくても使える給付が22市区にあった(20万円級が中心)。「認定がないから無理」という思い込みがいちばんもったいない
- 共通ルールは工事の前の申請だけ。相談→申請→承認→着工の順番を守る
- 自分の市の制度は市区町村別DB、お金の全体像は3階建てのしくみへ
※本記事は2026年7月11日時点で各市区の公式ページを確認した調査です。サンプルは東京23区・政令市・中核市中心の39市区で、全国の市町村を無作為に選んだものではありません。助成が受けられるかどうか・金額は、世帯の所得状況や市の予算で変わります。工事の前に、必ずケアマネジャー・市の窓口で最新の条件をご確認ください。
参考情報
- 調査対象39市区の出典URL(各市区の公式ページ)と確認日は、市区町村別の介護リフォームDBの各ページに個別に記載しています
- 介護リフォーム補助金のしくみ(3階建て)/介護保険の住宅改修の使い方/手すりの取り付け/和式から洋式トイレへの交換
- 調査シリーズ:外壁塗装 91市/空き家解体 32市区/ブロック塀撤去 92市区
家の補助金ナビ編集部
うちの自治体で出るか、先に調べる
外壁塗装・窓・断熱などの住宅リフォームで使える補助金を、工事のまえに調べるための情報サイトです。制度の情報は国・自治体の公式ページで確認し、確認日を明記して執筆しています。制度の変更・誤りを見つけた場合は運営者情報の連絡先までお知らせください。