解体するまえの電気・ガス・水道——電気は解約だけでは終わらず、水道は最後まで止めません
家を解体すると決めたら、電気・ガス・水道は「引っ越しと同じで、全部解約しておけばいい」——そう考えがちです。
ところが、この感覚のまま進めると2か所でつまずきます。
結論から言うと、電気は解約だけでは引込線が家に残ります。撤去の申込みが別に必要で、これを忘れると着工の日に工事が止まります。そして水道は逆で、先に止めてはいけない場合があります。解体工事はほこりを抑えるために水を使うからです。
ガスは撤去工事に2週間程度の余裕、浄化槽の家は清掃と届出——。この記事では、各社・各自治体の公式案内をもとに、連絡の順番を時系列で整理します。
先に結論
✓ ここが要点
電気は「解約」と「撤去」の2段です — 引込線と電力メーターの撤去申込みが別に必要。一般住宅で撤去希望日の1週間前まで、準備に6か月以上かかる事例もあります(東京電力パワーグリッド)
都市ガスは2週間前が目安 — ガス管・メーターの撤去工事には立会いが必要です。プロパンはボンベを買った販売店へ
水道は最後まで止めません — 解体中の散水に使うため、止める時期は解体業者と相談してから。無断使用は違法になり得ます
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お住まいの市区町村で使えるかは、郵便番号だけで確認できます
市区町村の制度と国の制度を1画面にまとめて表示します。外壁・外構・解体・介護など、工事の種類を切り替えて確認することもできます。
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電気——解約だけでは、線が残ります
電力会社との契約を解約しても、電柱から家に伸びる引込線と電力メーターはそのまま残ります。これを外すのは、小売の電力会社ではなく送配電会社の工事です。
東京電力パワーグリッドの案内は明確です。
電気設備がある状態での解体工事は感電の恐れがあり大変危険です。感電災害防止のため、引込線・電力メーター等の撤去は下記必要事項をご確認の上、お申込みをお願いいたします。
期限の感覚も公式に書かれています。
一般住宅への電柱からの引込線の撤去については遅くとも撤去ご希望日の1週間前までにお申込みをお願いいたします。場合によっては撤去工事の準備に6ヶ月以上を要する事例もありますので、建物の解体計画がございましたら、期間をご考慮の上、お早めにお申込みをお願いいたします。
一般住宅の引込線でも、申込みは撤去希望日の1週間前までが最低ラインで、引込みの形によっては半年以上かかる事例もある、ということです。解体の日程が見え始めたら、早めに連絡するに越したことはありません。
注意したいのは、すでに解約を済ませている場合です。同じページに「電気需給契約の解約がお済みの場合は、東京電力パワーグリッド(株)へご連絡ください。」とあり、解約とは別に撤去の連絡が要ることが分かります。東京電力エリア以外でも、担当するのは各地域の送配電会社です。
ガス——都市ガスは2週間前、プロパンは販売店へ
都市ガスは、メーターを閉じて終わりではなく、ガス管とガスメーターの撤去工事があります。東京ガスネットワークのよくある質問はこう案内しています。
建物解体・増改築等に伴うガス管撤去工事のご依頼は、ご希望工事日の「2週間前」を目安にお早めにお電話でご連絡ください。
撤去には立会いが必要で、費用の一部(一部撤去の工事費)は利用者負担と案内されています。さらに、こんな注意書きもあります。
お客さま敷地内での工事(解体、改装、水道工事等)によるガス管が破損される事故が多く発生しております。当社によるガス管撤去工事が完了するまで、ガス管に触れないよう注意、作業指示 をお願いいたします。
ガス管が生きたまま重機を入れる事故が実際に多い、ということです。解体業者に着工日を伝える前に、ガスの撤去日を確定させておくのが安全側の順番です。
プロパン(LPガス)の家は、ボンベと設備の引き取り先が決まっています。全国LPガス協会は「使わなくなったLPガス容器の処理にあたっては、安全のため、LPガスを購入したLPガス販売事業者にご相談ください」としています。請求書や検針票に販売店の名前と電話番号が書かれています。
水道——止めるのは最後。むしろ「使える」状態にしておきます
ここがいちばん意外なところです。
解体工事では、建物を壊すときに出るほこり(粉じん)を抑えるため、水をまきながら壊します。その水を解体するその家の水道から取る場合、水道は工事が終わるまで使える状態にしておく必要があります。
金沢市企業局は、解体工事向けの案内ページでこう書いています。
解体工事の防塵散水等で水道水を使用される場合は、事前に開栓手続きを行ってください。
止めるどころか、使うための手続きを先に案内しているわけです。あわせて、こうも明記されています。
無断で水を使用したり、メーターを介さずに使用したりすることは違法行為であり、窃盗罪等により処罰対象となる場合があります。
工事中に誰の契約・誰の負担で水を使うのかは、あいまいにせず解体の契約のときに決めておく項目です。水道メーターを工事中に壊すと実費弁償を求める案内(金沢市)もあるので、メーターの位置も業者と共有しておくと安心です。
最後に外す手続きも市によって形があります。いわき市水道局は、解体の前に給水装置工事申込書の提出が必要で、「解体する前に水道管を切り離し水道局にメータを返納しなければなりません」と案内しています。この切り離し工事ができるのは指定給水装置工事事業者だけで、いわき市は「解体業者は水道工事を行うことができません」とまで明記しています。
段取りは地域差が大きいので、着工前に水道局へ一本電話を入れて、自分の市の手順を確かめてください。
浄化槽・電話線・そのほか
浄化槽の家は、手続きが2つあります。
1つ目は中身の処理です。静岡県は「浄化槽の使用を廃止した場合は速やかに浄化槽清掃業者による清掃を受けてください。」と案内しています。舞鶴市のように、便槽(くみ取り便所)や浄化槽を解体するとき「最終汲み取り・浄化槽清掃届出書」の提出を求める自治体もあります。
2つ目は法律上の届出です。浄化槽法第11条の3は、こう定めています。
浄化槽管理者は、当該浄化槽の使用を廃止したときは、環境省令で定めるところにより、その日から三十日以内に、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
清掃の手配も届出も、解体業者と浄化槽の清掃業者が段取りを知っています。契約のときに「浄化槽の清掃と届出はどちらがやるか」を決めておけば、抜けません。
電話線・ネットの線も、電気と同じ構造です。NTT東日本は、解体工事などでNTTの設備(引込線・ケーブルなど)の撤去が必要な場合、建物解体工事の前に「残置設備撤去Web」から申告するよう案内しています。回線の解約と、線の撤去は別の手続きです。
なお、家の中の家財・エアコン・不用品の扱いは別の話題として空き家の家財は、解体の前に片づけないといけないのか——300市の解体補助を「家財」の角度で読み直しましたに書いています。
順番を時系列で並べます
解体業者を決め、契約する
水道をいつまで使うか・誰の契約で使うか・浄化槽の届出を誰がやるかを、このときに決めます
電気・ガスの撤去を申し込む
電気の引込線は撤去希望日の1週間前まで(準備に時間がかかる事例あり)、都市ガスは2週間前が目安。着工日から逆算して先に確定させます
プロパン・電話線の連絡
ボンベは購入した販売店へ、NTTの線は残置設備撤去Webへ。いずれも工事前に
浄化槽の清掃・汲み取り
清掃業者の日程を押さえます。使用をやめたら30日以内に届出です
水道は業者と決めた日まで維持
散水に使い終わってから、市の手順(メーター返納・切り離し工事など)に沿って閉じます
工事が終わったら、建物の登記を閉じる手続きが残っています。期限が壊した日から1か月と短いので、家を解体したあとの建物滅失登記——自分でできるのか、費用はいくらか、未登記の家はどうするのかを工事中に読んでおくとちょうどよい時期です。
つまずくのは、ここです
! ここに注意
① 解約だけして、撤去を申し込んでいない。 着工の日に引込線が残っていると、感電の危険があり工事が始められません。解約済みでも送配電会社への撤去連絡は別に必要です。
② 水道を先に止めてしまう。 散水ができないと工事が進みません。再開栓の手続きで日数を失うこともあります。止める時期は必ず業者と決めてから。
③ ガスの撤去日を決めずに着工日を約束する。 ガス管が生きたままの解体は破損事故のもとです。都市ガスの撤去は2週間前連絡が目安なので、着工日はその後ろに置きます。
よくある質問
解体の前に、電気はいつ解約すればいいですか?
解約だけでは終わらない点に注意してください。東京電力パワーグリッドは、建物を解体する場合は電気の引込線と電力メーターを撤去する必要があるとし、電気設備がある状態での解体工事は感電の恐れがあり大変危険だと案内しています。一般住宅への引込線の撤去は遅くとも撤去希望日の1週間前までの申込みが必要で、場合によっては撤去工事の準備に6か月以上かかる事例もあるとされています。解約済みの場合も、撤去の連絡は送配電会社(東京電力エリアでは東京電力パワーグリッド)へ別途必要です(2026年8月10日確認)。
都市ガス・プロパンガスは、どうすればいいですか?
都市ガスは、ガス管とガスメーターの撤去工事が必要です。東京ガスネットワークは、建物解体に伴うガス管撤去工事の依頼を希望工事日の2週間前を目安に電話で連絡するよう案内しており、撤去には立会いが必要です。敷地内での解体作業でガス管が破損される事故が多いことも公式に注意喚起されています。プロパン(LPガス)は、全国LPガス協会が、使わなくなった容器の処理はLPガスを購入した販売事業者に相談するよう案内しています(いずれも2026年8月10日確認)。
解体のとき、水道はいつ止めればいいですか?
先に止めてしまうのは早計です。解体工事では、ほこりを抑えるための散水に水道を使うことがあります。金沢市企業局は「解体工事の防塵散水等で水道水を使用される場合は、事前に開栓手続きを行ってください。」と、止めるどころか使うための手続きを案内しています。無断でメーターを介さずに使うことは違法行為になり得るとも明記されています。止める時期と、工事中に誰の契約で水を使うかは、解体業者と契約のときに決めてください。
浄化槽やくみ取り式トイレがある家は、何が必要ですか?
浄化槽は、使用をやめる前後で2つの手続きがあります。まず中身の処理で、静岡県は使用を廃止した場合は速やかに浄化槽清掃業者による清掃を受けるよう案内しています。舞鶴市のように、便槽や浄化槽を解体するときに最終汲み取り・清掃の届出書を求める自治体もあります。次に法律上の届出で、浄化槽法第11条の3により、使用を廃止した日から30日以内の届出が必要です。段取りは解体業者と浄化槽の清掃業者が知っているので、契約のときに誰が届出をするかまで決めておくと確実です。
電話線やインターネットの線はどうなりますか?
NTT東日本は、家屋の解体工事などで引込線やケーブルなどのNTT設備が不要になり撤去が必要な場合、建物解体工事前に「残置設備撤去Web」から申告するよう案内しています(2026年8月10日確認)。回線契約の解約とは別の手続きなので、電気と同じく「契約をやめる」と「線を外す」を分けて考えてください。
まとめ
- 電気は2段です。 契約の解約と、引込線・メーターの撤去申込みは別。撤去は希望日の1週間前まで、準備に6か月以上の事例もあります
- 都市ガスは2週間前が目安。 撤去には立会いが要り、ガス管が生きたままの解体は破損事故のもとです
- プロパンはボンベを買った販売店へ。 検針票に連絡先が書いてあります
- 水道は最後まで止めません。 散水に使うため、止める時期・誰の契約で使うかは解体業者と契約時に決めます
- 浄化槽は清掃+30日以内の届出。 誰がやるかを契約時に決めておきます
- 工事後は滅失登記。 壊した日から1か月以内です
ライフラインの段取りは、結局のところ解体業者との打ち合わせで決まります。業者がまだ決まっていない段階なら、複数の見積もりを並べて、水道や浄化槽の段取りまで説明してくれる業者かどうかも比べる材料になります。
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解体工事の専門業者をまとめて比較できる一括見積もりサービスです。見積もりの場で、水道をいつまで使うか・引込線の撤去はいつまでに申し込むかを各社に聞くと、段取りに慣れた業者かどうかが分かります。補助金を使う場合、申請は工事の契約・着工のまえが原則です。
- 解体工事の見積もりを複数社まとめて比較できます
- 気に入らなければ断って大丈夫です
- 解体・除却の補助金の申請に対応できる業者かを、見積もりの場で確認できます
連絡してよい時間帯は、申込のときに指定できます。見積もりを見てから決められます。
申込のあと何が起きるか
申込のあと、まず運営から希望を確かめる連絡が1本入り、そのあと紹介された会社から連絡が入ります。紹介は断ってかまいません。
※本記事の手続き情報は2026年8月10日時点で各社・各自治体の公式ページと法令の原文を確認したものです。撤去の期限や手順は地域・事業者で異なります。実際の手続きは、お住まいの地域の送配電会社・ガス事業者・水道局・市区町村の案内でご確認ください。
参考情報(出典)
- 建物解体に伴う引込線等撤去のお手続き(東京電力パワーグリッド)(確認日 2026-08-10)
- よくある質問「建物を解体したい。」(東京ガスネットワーク)(確認日 2026-08-10)
- 敷地内での解体・増改築に伴うガス管撤去工事のお申し込み(東京ガスネットワーク)(確認日 2026-08-10)
- 使わなくなったLPガス容器の処理について(一般社団法人全国LPガス協会)(確認日 2026-08-10)
- 解体工事で水道を使用するには(金沢市企業局)(確認日 2026-08-10)
- 家屋解体を行う市民の皆さまへ(いわき市水道局)(確認日 2026-08-10)
- 浄化槽法(e-Gov法令検索)第11条の3(確認日 2026-08-10)
- 浄化槽の使用廃止、休止、再開について(静岡県)(確認日 2026-08-10)
- くみ取り便所や浄化槽の解体時には届け出が必要です(舞鶴市)(確認日 2026-08-10)
- 使わなくなったNTTの設備を撤去したい(NTT東日本 Web113)(確認日 2026-08-10)
家の補助金ナビ編集部
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