頼むまえに

実家の解体とお祓い・神棚・仏壇——決まりはありません。ただ、段取りには期限があります

公開 2026年8月2日最終更新 2026年8月2日執筆 家の補助金ナビ編集部

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片づけを始めようとして、仏間の前で手が止まる。神棚がまだ祀られている。庭には井戸がある——。

実家の解体で、最後まで決まらないのがここです。補助金の額や業者の選び方には調べれば答えが出ますが、この件は調べても出てきません。

まず正直に書きます。お祓いをしなければならないという決まりは、ありません。

法令上の義務ではありませんし、補助金の条件でもありません。当サイトが公式ページで確認した300市区町村の解体補助にも、お祓い・神棚・仏壇・井戸に関する記載は一件もありませんでした。

つまり、制度はこの領域に関与していません。だから判断は、完全に家の側にあります。

ただし、段取りには期限があります。解体の日までに動かさなければならないものが、確かにあります。この記事はそこを整理します。

先に結論

✓ ここが要点

「やらなければいけない」という決まりはありません — 法令の義務でも、補助金の条件でもありません。行う方も、行わない方も、どちらも普通です

ただし、動かす期限はあります — 神棚のお神札、仏壇と位牌、大切な写真と書類は、片づけを始める前に扱いを決める必要があります。家財としてまとめて出してしまうと戻せません

井戸・祠・庭木は、工事の費用の話でもあります — 気持ちの話とは別に、埋め戻し・撤去・伐採には費用がかかります。しかも補助の対象外と明記している市が複数あります

制度は、ここに何も書いていません

これは書いておく価値のあることだと思います。

当サイトは、空き家の解体補助について、300の市区町村の公式ページを1件ずつ確認して制度をまとめています。対象になる工事、上限額、条件、そして対象にならない費用まで記録しています。

その記録を見ると、庭木・庭石・立木の撤去費は「対象外」としてはっきり書かれています。門・塀・物置・浄化槽も出てきます。一方で、お祓い・神棚・仏壇・井戸という言葉は、300市のどこにも出てきませんでした

✎ 私の調査メモ

この読み方には、但し書きがあります。

編集部が調べたのは、各市の制度の中身——対象になる工事・上限額・条件です。ですから「記載がない=どの市でも一切関係がない」と証明したわけではありません。市によっては要綱の細部に触れている可能性もあります。

それでも、意味のある差だと考えています。同じ調べ方で、庭木・庭石・立木の撤去費は複数の市で「対象外」として拾えているからです。撤去費という形で費用になるものは記録に残り、お祓いは残らなかった。

読み取れるのは、行政の制度がこの領域を扱っていないということです。だから公式ページを何時間読んでも答えは出てきません。答えは、神社やお寺と、ご家族の側にあります。

決めることは、5つだけです

「どうすればいいか」を一度に考えると止まります。分けると、決めるのは5つです。

決めること 目安
① やるか、やらないか 決まりはありません。ご家族で決めてかまいません
② 何に対して行うか 家そのもの・神棚・仏壇・井戸や祠。全部やる必要はありません
③ 誰に頼むか 神事は氏神神社か最寄りの神社、仏事は菩提寺が基本です
④ いつやるか 解体の日より前。片づけの前に決めておくと段取りが楽です
⑤ いくらかかるか 神社・寺院によって異なります。直接お尋ねするのが確実です

※ 表は横にスクロールできます

このうち、期限があるのは④だけです。ほかは急いで決める必要はありません。

神棚とお神札

神社本庁の案内では、古いお神札は授かった神社に納めて、お焚き上げをしていただくとされています。

ですから、まずはそのお神札をいただいた神社に相談するのが道筋です。長く実家にあったお神札なら、その地域の神社であることが多いはずです。

分からない場合は、その地域の氏神神社か、最寄りの神社に尋ねてください。神棚そのものの扱いも、あわせて相談できます。

大事なのは順番です。片づけを始める前に確認してください。 家財としてまとめて業者に出してしまうと、あとから戻せません。

仏壇と位牌

まず菩提寺——先祖代々のお墓やご供養をお願いしているお寺——に相談してください。

仏壇や位牌を動かす前に読経していただく作法があり、宗派によって呼び方も考え方も異なります。ですから、一般論よりも、その家の宗派のお寺に聞くのが確実です。

菩提寺が分からない場合は、次の順で当たれます。

  • ご親族に尋ねる(法要をどこでお願いしてきたか)
  • お墓の管理者に尋ねる(霊園なら管理事務所で分かることがあります)
  • 同じ宗派の近くのお寺に問い合わせる

仏壇そのものの引き取りまで相談できることが多く、仏壇店に相談する道もあります。

ここも、片づけを始める前に決めておく必要があります。

井戸・祠・庭木は、費用の話でもあります

ここだけは、気持ちの話と工事の話が重なります。

気持ちの側——井戸を埋める前にお祓いをする習わしは各地にあります。祠や庭の神さまについても同じです。やるかどうかは、これも決まりではありません。

工事の側——井戸の埋め戻し、祠や庭石の撤去、立木の伐採は、いずれも費用のかかる作業です。井戸は深さと構造で手間が変わり、庭木は本数と太さで変わります。

そして重要なのは、補助が出ないことが多いという点です。当サイトが確認した記録では、庭木・庭石・立木の撤去費を対象外と明記している市が複数ありました。松山市は「庭木や庭石の撤去費は対象外」、姫路市は「残っている家財・樹木の撤去費や手続き費用は含まれません」、岩国市は「樹木、外構の撤去、家財道具の処分(中略)は対象外です」と公式ページに書いています(いずれも2026年7月確認)。

! ここに注意

見積もりの段階で、井戸・祠・庭木・庭石が金額に含まれているかを必ず確かめてください。 建物だけの金額で契約すると、当日になって追加になります。含まれていないのが基本、と思って聞くくらいでちょうどよいところです。

家財の扱いについては空き家の家財は解体の前に片づけないといけないのかにまとめました。

費用の確かめ方

金額は神社・寺院によって異なります。ですから、この記事に相場は書きません。直接お尋ねするのが確実です。

神社本庁の案内でも、こうした神事については氏神神社か最寄りの神社に相談するよう案内されています。

尋ねるときに伝えると話が早いのは、次の3つです。

✓ ここが要点

① 何に対してお願いしたいか — 家そのものか、井戸か、神棚か

② いつ頃か — 解体のどれくらい前を考えているか

③ どこで行うか — 現地に来ていただくのか、社殿にお持ちするのか

現地に来ていただく場合は、日程を解体の予定と合わせる必要があります。業者の着工日が決まる前に相談しておくと、日程で困りません。

段取りの中でのタイミング

全体の流れの中では、次の位置に入ります。

  1. 名義・補助金・業者の見積もりを進める

    ここではまだ何もしません

  2. 神社・お寺に相談する

    日程の相談を先にします。着工日が決まる前がおすすめです

  3. 神棚・仏壇の扱いを決める

    片づけの前に。ここが分かれ目です

  4. 片づけを始める

    決まったものから運び出します

  5. お祓いを行う(行う場合)

    解体の直前が一般的です

  6. 工事

    ここから先は戻せません

片づけの前に決める——覚えておくことは、これだけで足ります。

全体の順番は実家を解体するまえにやることにまとめています。

よくある質問

家を解体するとき、お祓いは必要ですか?

しなければならないという決まりはありません。法令上の義務ではありませんし、補助金の条件でもありません。当サイトが公式ページで確認した300市区町村の解体補助にも、お祓いに関する記載は一件もありませんでした。庭木・庭石・立木の撤去費が対象外だと書かれている市はあるのに、です。つまり制度はこの領域に関与していません。やるかどうかは、ご自身とご家族の気持ちで決めてよい、ということです。実際に行う方も、行わない方も、どちらも普通にいらっしゃいます。

神棚とお神札は、どうすればいいですか?

神社本庁の案内では、古いお神札は授かった神社に納めてお焚き上げをしていただく、とされています。まずは、そのお神札をいただいた神社に相談してください。分からない場合は、その地域の氏神神社か最寄りの神社に尋ねるのが確実です。神棚そのものの扱いも、あわせて相談できます。大切なのは、片づけの前に確認することです。家財として業者にまとめて出してしまうと、あとから戻せません。

仏壇はどうすればいいですか?

まず菩提寺(ぼだいじ=先祖代々のお墓やご供養をお願いしているお寺)に相談してください。仏壇や位牌を動かす前に読経していただく作法があり、宗派によって呼び方や考え方が異なります。菩提寺が分からない場合は、ご親族に尋ねるか、同じ宗派の近くのお寺に問い合わせる方法があります。引き取りまで含めて相談できることが多く、仏壇店に相談する道もあります。ここも、片づけを始める前に決めておく必要があります。

庭の井戸や祠は、どうなりますか?

二つの話が重なっています。ひとつは気持ちの話で、井戸を埋める前にお祓いをする習わしが各地にあります。もうひとつは工事の話で、井戸の埋め戻し・祠や庭石の撤去・立木の伐採は、いずれも費用のかかる作業です。しかも当サイトが確認した市区町村の解体補助では、庭木・庭石・立木の撤去費を対象外と明記している市が複数ありました。見積もりの段階で、井戸・祠・庭木が金額に含まれているかを必ず確かめてください。

費用はいくらかかりますか?

金額は神社・寺院によって異なるため、一律の相場を示すことはできません。確実なのは、お願いしたい神社やお寺に直接お尋ねすることです。神社本庁の案内では、こうした神事については氏神神社か最寄りの神社に相談するよう案内されています。お尋ねするときは、何に対して(家・井戸・神棚)、いつ(解体のどれくらい前)、どこで(現地か社殿か)を伝えると話が早く進みます。工事の側の費用(井戸の埋め戻しや祠の撤去)は、これとは別に解体業者の見積もりで確かめてください。

まとめ

  • お祓いをしなければならないという決まりはありません。 法令の義務でも、補助金の条件でもありません
  • 制度はこの領域に関与していません。 公式ページで確認した300市区町村の解体補助に、お祓い・神棚・仏壇・井戸の記載は一件もありませんでした
  • 期限があるのは日程だけ。 神棚のお神札、仏壇と位牌は、片づけを始める前に扱いを決めてください
  • 神事は氏神神社か最寄りの神社、仏事は菩提寺へ。 神社本庁の案内では、古いお神札は授かった神社に納めてお焚き上げを、とされています
  • 井戸・祠・庭木は工事の費用でもあります。 庭木・庭石・立木の撤去費を対象外と明記している市が複数あります。見積もりで必ず確かめてください
  • 費用は神社・寺院によって違います。 直接お尋ねするのがいちばん確実です

※本記事の市区町村の制度に関する記述は、当サイトが2026年7月〜8月に各市の公式ページで確認した記録にもとづきます。補助金・助成金は年度や予算の状況で変更・終了されることがあります。申請前に必ず公式ページ・窓口で最新の条件をご確認ください。宗教上の作法や費用については、各神社・寺院にお尋ねください。

参考情報(出典)

家の補助金ナビ編集部

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