ケアマネジャーがいなくても住宅改修はできるか——できます。ただし「誰に理由書を書いてもらうか」の答えは市で違います
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親は要介護の認定を受けているが、デイサービスもヘルパーも使っていない。だから担当のケアマネジャーがいない——この状態で手すりだけ付けたい、という相談は珍しくありません。
結論から言うと、ケアマネジャーがいなくても住宅改修は使えます。 条件は認定を受けていることであって、ケアマネジャーと契約していることではないからです。
問題は別のところにあります。住宅改修には「住宅改修が必要な理由書」が必ず要るのに、それを書けるのは限られた人だけ、ということです。
そして、その「限られた人」の範囲が市によって違います。この記事では、相模原市・八王子市の公式資料(確認日2026年8月3日)で確認した内容だけで、進め方を整理します。
先に結論
✓ ここが要点
住宅改修は使えます。 条件は要支援1〜2または要介護1〜5の認定を受けていることです。 まず相談するのは地域包括支援センター。 高齢者の暮らしの相談窓口で、担当する地区が住所ごとに決まっています。 理由書を誰が書けるかは市で違います。 相模原市が認めているのは地域包括支援センターの職員だけ、八王子市は6種類の資格を認めています。 費用は本人負担ゼロ。 理由書の作成費を本人が払うしくみにはなっていません。
認定さえあれば、資格はあります
まず、ここをはっきりさせておきます。
介護保険の住宅改修を使う条件は、八王子市の手引きによれば「要支援1〜2または要介護1〜5と認定されている方」です。ケアマネジャーと契約していることは条件に入っていません。
実際、相模原市の公式Q&Aには「住宅改修のみを行う被保険者でケアマネジャーがいない場合は、誰が理由書を作成するのですか」という質問がそのまま載っています。制度の側も、住宅改修だけを使う人がいることを前提にしている、ということです。
! ここに注意
逆に、認定を受けていない場合は使えません。八王子市は、要支援・要介護の認定を受けていない「事業対象者」はこの制度の対象にならず、住宅改修が必要な場合は認定の申請が必要としています。認定がまだの方、認定が切れている方の扱いは認定切れ・申請中・区分変更中に住宅改修はできるかにまとめました。
つまずくのは、理由書です
住宅改修には理由書が必要です。八王子市の手引きには「この理由書がないと、住宅改修を行うことはできません」と書かれています。
そして書けるのは、国の通知で「対象者のケアプランを作る居宅介護支援専門員(=ケアマネジャー)と地域包括支援センターの担当職員」とされています。ケアマネジャーがいなければ、残るのは地域包括支援センターです。
ここから先が、市で分かれます。
| 八王子市 | 相模原市 | |
|---|---|---|
| 地域包括支援センターの職員 | ○ | ○ |
| 理学療法士・作業療法士 | ○ | 記載なし |
| 福祉住環境コーディネーター2級以上 | ○ | 記載なし |
| 増改築相談員・マンションリフォームマネジャー | ○ | 記載なし |
| 工事をする業者側の有資格者 | ○(有資格者がいれば可) | — |
※ 表は横にスクロールできます
相模原市は、国の通知にある「市町村が行う住宅改修指導事業等として住宅改修についての相談・助言を行っている福祉・保健・医療の専門家」という文言を引いたうえで、「相模原市が認めている者は地域包括支援センターの職員となります」と限定しています。
八王子市は6種類の資格を列挙し、さらに「施工業者等で、有資格者がいれば、その有資格者が理由書を作成することもできます」としています。
同じ「ケアマネジャーがいない」に、進め方が2通りある。 相模原市型の市では地域包括支援センターに行くしかなく、八王子市型の市では業者に相談する道もある、ということです。
! ここに注意
ここを確かめずに業者へ理由書を任せると、市が受け付けない場合があります。相模原市は、本来理由書を書けない人が作成した場合、その事実が分かった時点で再提出を求め、再提出されるまで審査を行わないとしています。着工の前に止まってしまうので、先に市へ確認してください。
地域包括支援センターが見つからないとき
「地域包括支援センターに相談してください」と案内されても、探して見つからないことがあります。理由の1つは、名前が市によって違うことです。
当サイトが公式ページで確認した範囲でも、こう分かれていました。
| 市 | 呼び名 |
|---|---|
| 八王子市 | 高齢者あんしん相談センター |
| 大津市 | あんしん長寿相談所 |
| 水戸市 | 高齢者支援センター |
※ 表は横にスクロールできます
いずれも公式ページで、住宅改修の相談先としてこの名前が使われています。「地域包括支援センター」で市のサイト内を検索しても出てこないことがある、ということです。
いちばん早いのは、市の高齢福祉か介護保険の窓口に電話して「うちの住所はどこが担当ですか」と聞くことです。担当する地区は住所ごとに決まっているのが一般的で、電話1本で分かります。
相談は無料です。ケアマネジャーがいない方にとって、ここが実質的な入口になります。
ケアマネジャーと契約する予定がある場合
これから介護サービスを使い始める、という段階の方もいると思います。
相模原市は、認定の申請中で担当のケアマネジャーがいない場合について「この場合の理由書の作成者は、地域包括支援センターの職員となります」としたうえで、要介護1以上になることが明らかな場合やケアマネジャーと契約する予定がある場合はこの限りではない、としています。
ただし注意書きが付いています。「ケアマネジャーは、契約されていない場合は、担当ケアマネジャーとはならないため、担当者でない者が記載したこととなります」。
つまり、契約するつもりだというだけでは足りません。契約を先に済ませてから理由書を書いてもらうか、地域包括支援センターに書いてもらうか、どちらかを選ぶことになります。
実際の進め方
市に電話して、担当の地域包括支援センターを聞く
「うちの住所はどこの担当ですか」と聞けば分かります。名前が違う市があります
地域包括支援センターに相談する
本人の状態と、困っている場所を伝えます。相談は無料です
理由書を書いてもらう
誰が書けるかは市で違います。ここで確認しておきます
見積もりを取る
複数の業者から取ります。住宅改修の費用は自由価格です
工事のまえに申請する
市の承認を待ちます。着工したあとでは対象外です
工事・完成
工事の前後の写真が必要です。業者が用意します
工事のあとの申請
ここで支給が決まります
見積もりを複数取ることは、八王子市の手引きも勧めています。「訪問介護等の介護保険サービスと異なり、住宅改修の費用は自由価格です。面倒なようでも、専門知識や見積価格などを、よく比較してみることが大切です」。
ケアマネジャーがいない場合、工事の内容を一緒に考えてくれる人がいないぶん、見積もりを比べる作業がそのまま自衛になります。
理由書そのものについては住宅改修が必要な理由書は誰が書くのかに、どの工事が対象になるかは介護保険の住宅改修で「対象外」になる工事にまとめています。お住まいの市に上乗せの制度があるかは市区町村別の介護リフォームのページで確認できます。
よくある質問
ケアマネジャーがいなくても、介護保険の住宅改修は使えますか?
使えます。住宅改修を使う条件は、要支援1〜2または要介護1〜5の認定を受けていることであって、ケアマネジャーと契約していることではありません。他の介護サービスを使わず、住宅改修だけを利用する方も実際にいます。相模原市の公式Q&Aにも「住宅改修のみを行う被保険者でケアマネジャーがいない場合」を前提にした質問と答えが載っています。ただし住宅改修が必要な理由書は必要で、これを誰に書いてもらうかを決める必要があります。
ケアマネジャーがいない場合、理由書は誰が書いてくれますか?
まず地域包括支援センター(高齢者の暮らしの相談窓口)に相談してください。ここから先の答えは市で違います。相模原市は、国の通知を引いたうえで「相模原市が認めている者は地域包括支援センターの職員となります」としています。八王子市は、ケアマネジャーと地域包括支援センターの職員に加えて、理学療法士・作業療法士・福祉住環境コーディネーター2級以上・増改築相談員・マンションリフォームマネジャーを認めており、工事をする業者側にこれらの有資格者がいれば、その人が作成することもできるとしています。
地域包括支援センターに相談するのにお金はかかりますか?
理由書の作成について、本人が費用を払うしくみにはなっていません。相模原市は理由書の作成費について居宅介護支援事業の一環であり別途費用を徴収できないとしています。八王子市は、ケアプランの提供を受けていない方の理由書を作成した場合、市が1件あたり2,000円と消費税を作成者側に支払うしくみを持っています。もし理由書の作成費として請求されたら、その場で払わずに市の介護保険の窓口へ確認してください。
地域包括支援センターが見つかりません。どう探せばいいですか?
名前が市によって違うことが理由かもしれません。八王子市では「高齢者あんしん相談センター」、大津市では「あんしん長寿相談所」、水戸市では「高齢者支援センター」と呼ばれています。担当する地区が住所ごとに決まっているのが一般的なので、市の高齢福祉や介護保険の窓口に電話して「うちの住所はどこの担当ですか」と聞くのがいちばん早い方法です。市の公式ページで「高齢者 相談窓口」と探す方法もあります。
業者が「理由書もこちらで用意します」と言っています。任せていいですか?
市が認める資格を持った人が書くのであれば、認めている市があります。八王子市は、工事をする業者側に有資格者がいればその人が理由書を作成することもできるとしています。ただし同じ手引きに「資格のない方が作成した理由書を、有資格者の名義で提出することはできません」「先にリフォームの計画があり、それに理由書の内容を合わせるのはルール違反です」とも書かれています。まず市に、業者側の作成を認めているかを確認してください。認めていない市では、その理由書は受け付けられません。
まとめ
- ケアマネジャーがいなくても、住宅改修は使えます。 条件は認定を受けていることです
- 必要なのは理由書です。 これがないと工事を始められません
- 理由書を誰が書けるかは市で違います。 相模原市は地域包括支援センターの職員だけ、八王子市は6種類の資格を認めています
- まず相談するのは地域包括支援センター。 相談は無料で、担当する地区が住所ごとに決まっています
- 名前が違う市があります。 高齢者あんしん相談センター、あんしん長寿相談所、高齢者支援センターなど。市の窓口に電話するのが早い方法です
- 業者に任せる前に、市に確認を。 認めていない市では、その理由書は受け付けられません
- 費用は本人が払うものではありません。 請求されたら、払う前に市の窓口へ確認してください
※本記事の制度情報は、各市の公式資料を2026年8月3日に確認したものです。理由書の作成者として誰を認めるかは市区町村ごとに異なります。制度は年度や運用の見直しで変更されることがありますので、申請前に必ずお住まいの市区町村の公式ページ・窓口で最新の条件をご確認ください。
参考情報(出典)
- 介護保険 住宅改修のQ&A 令和6年4月改定版(相模原市)(確認日 2026-08-03)
- 介護保険・高齢者自立支援 住宅改修の手引き(八王子市 福祉部介護保険課)(確認日 2026-08-03)
- 相談窓口の呼び名=当サイトが公式ページで確認した記録(300市区町村)。各市の出典URLと確認日は市区町村別の介護リフォームのページに記載しています
- 制度の全体像=介護保険の住宅改修の使い方
家の補助金ナビ編集部
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