擁壁の補助金——直す補助と、危険な場所から移る補助は別ものです。直すほうを持っている市は限られます
横浜市は、擁壁の造り替えと、既にある擁壁の補強とで、別々の助成金を用意しています。ただし、こうした制度を持っている市は限られます。
擁壁の補助金を調べると、がけ地近接等危険住宅移転事業という国のメニューの名前も一緒に出てきます。ふたつは別ものです。国のほうは擁壁を直す補助ではなく、危険な区域から住まいごと移る人のための補助で、擁壁の工事費は入っていません。
そして、多くの方が最初に当たるであろうブロック塀の撤去補助も、擁壁には届きません。当サイトが公式ページでブロック塀等の撤去補助を確認した237市区町村のうち、対象の説明に擁壁が出てくるのは33市区町村。そのうち擁壁そのものを撤去の対象に含めていると読めたのは1市だけでした。
この記事では、擁壁にお金が出る制度を2つの系統に分けて整理し、横浜市・鎌倉市・町田市・北九州市の公式ページで中身を確かめ、自分の市に制度があるかを調べる順番までを書きます。
先に結論
✓ ここが要点
- 擁壁の補助は、擁壁を直す市の独自制度と、危険な区域から移る国のメニューの2系統に分かれます
- 国の側に、擁壁を直す補助は見当たりません。 国のメニューは移転か、住宅の土砂災害対策改修です
- 横浜市は、法律の手続きが要る工事(造り替え)と要らない工事(補強)で制度を分けています
- 鎌倉市は、県知事の勧告・改善命令や市長の通知を受けた方に対象を限っています
- ブロック塀の撤去補助は擁壁には届きません(237市区町村中、対象に含めていたのは1市)
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お住まいの市区町村で使えるかは、郵便番号だけで確認できます
市区町村の制度と国の制度を1画面にまとめて表示します。外壁・外構・解体・介護など、工事の種類を切り替えて確認することもできます。
お住まいの市区町村の制度を調べる公式ページで確認した情報のみ(各項目に確認日つき)
擁壁の補助は、直すほうと、移るほうに分かれます
同じ「擁壁の補助金」という言葉で探しても、行き着く先が2つあります。
| 何にお金が出るか | 誰が作っているか | |
|---|---|---|
| 直すほう | 擁壁の造り替え・補強・法面の保護 | 市区町村の独自制度 |
| 移るほう | 危険住宅の除却費・引越費用・移転先の住宅ローンの利息相当額 | 国のメニューを市町村が実施 |
※ 表は横にスクロールできます
移るほうが、がけ地近接等危険住宅移転事業です。国土交通省の資料は、補助の対象をこう書いています。
○危険住宅の除去などに要する費用で除却費、引越費用(動産移転費、仮住居費等)、 その他(限度額:975千円/戸)
擁壁を造り替える費用は、ここに入っていません。それどころか、同じ場所にとどまって直す形は、この事業では対象外とされています。国土交通省のQ&Aは、土砂災害特別警戒区域の中で同じ敷地に建て替える場合についてこう答えています。
補助対象とできない。本事業は安全な地域へ移転するための助成を行う制度であるため、 移転元の同一地内での建替えや改修により構造規制に適合させる場合は原則として本事 業の補助の対象とならない。
続けて、同じ場所で改修する場合は住宅・建築物の土砂災害対策改修に関する事業を検討するよう案内しています。国のメニューは、移るか、住宅そのものを土砂災害に耐える形へ直すかで、擁壁の工事費を直接みる形になっていません。
移るほうの中身はがけ地近接等危険住宅移転事業とはにまとめました。以下は、直すほうの話です。
横浜市は、法律の手続きが要るかどうかで制度を分けています
横浜市には崖地の対策工事に対する助成金が2つあり、分かれ目が独特です。工事の大きさや金額ではなく、法律の手続きが要る工事かどうかで分かれます。
防災対策工事助成金のほうは、対象をこう定めています。
「建築基準法」若しくは「宅地造成及び特定盛土等規制法」の手続きが必要となる擁壁工事若しくは切土・盛土工事、 又は 土砂災害防止法により指定された区域の全部若しくは一部を解除できる法枠工事等
減災対策工事助成金のほうは、逆です。
原則、「建築基準法」及び「宅地造成及び特定盛土等規制法」の手続きを要さない工事
確認申請や許可が要る規模なら防災、要らない規模なら減災、という切り分けです。どちらの側に来るかは、擁壁の高さと区域で決まります(擁壁の確認申請)。金額はこうなります。
助成額は、対象となる工事費の1/3又は市で定めた工法別単価※により算出した金額又は限度額(400万円)のうち、いずれか少ない額
助成額は、対象となる工事費の1/2又は市で定めた工法別単価※により算出した金額(一部の工法のみ)又は限度額(100万円又は50万円)のうち、いずれか少ない額
| 防災(手続きが要る工事) | 減災(手続きを要さない工事) | |
|---|---|---|
| 割合 | 工事費の3分の1 | 工事費の2分の1 |
| 上限 | 400万円 | 100万円または50万円 |
| 想定される工事 | 擁壁の築造・待ち受け擁壁 | 法面の保護・既存擁壁の補強 |
※ 表は横にスクロールできます
割合だけを見ると、大きい工事のほうが低くなっています。 ただし上限が4倍違うので、実際に手元に残る額は防災のほうが大きくなります。割合の数字だけで「補強のほうが得だ」と判断すると取り違えます。
金額の計算には工法別の単価も効きます。
・擁壁築造工事及び待ち受け擁壁工事 110,000円/㎡
垂直投影面積1平方メートルあたりの単価です(面積の測り方は市の算定方法のPDFに定めがあります)。助成額は、次の3つを計算して、いちばん少ない額になります。
- 対象となる工事費の3分の1
- 工法別の単価 × 垂直投影面積
- 限度額の400万円
2つめが効いてくるのは、工事費が面積のわりに高いときです。 たとえば垂直投影面積が20平方メートルなら、単価で計算した額は220万円。工事費が300万円なら3分の1の100万円のほうが少ないので100万円ですが、工事費が900万円だと3分の1は300万円になるので、220万円のほうが効きます。面積に見合った額までしか出ない、という上限として働くわけです。実際の額は市の審査で決まるので、金額は窓口で確かめてください。
対象になる崖地の条件も決まっています。
地盤面からの高さが2メートルを超える崖地 又は 道路等に被害が及ぶ恐れがある崖地において、道路面から上方1メートル若しくは下方2メートルを超える崖地
これに傾斜30度以上、崖崩れで住まいや道路に被害が及ぶおそれがあること、が加わります。
! ここに注意
横浜市の助成には、業者選びに直接効く条件があります。
助成金の交付を受ける場合には、市内に本社のある事業者と工事契約を結んでいただく必要があります。
全国対応の業者に頼むと助成が使えなくなる、ということです。相見積もりを取るときは、本社の所在地を先に確かめてください。
そして、申請の順番です。交付決定(=市が助成を出すと決めて通知すること)より前に動くと使えません。
交付決定前に工事契約又は工事に着手している場合は、助成金制度の利用はできません。
令和8年度は2026年4月13日から受付が始まり、交付申請の期限は12月28日までの予定と案内されています。
大谷石・玉石・増し積みの擁壁
横浜市は崖地に関するQ&Aで、古い擁壁の扱いにも答えています。
大谷石やガンタ石、玉石による擁壁は、現在の基準に適合しません。
増し積み擁壁は、法令上認められていません。
どちらについても、造り替えなら防災、補強なら減災の助成を使える場合があるとしています。基準に合っていないことと、補助が使えないことは別です。 むしろ合っていないから対象になる、という組み立てです。
鎌倉市は、行政から言われた方に対象を限っています
同じ神奈川県内でも、鎌倉市の既成宅地等防災工事資金助成制度は形が違います。
補助金は防災工事(上限 500 万円) 伐採工事(上限 100 万円)
金額は横浜市より大きいのですが、対象になる方がはっきり限られています。
災害の防止のために県知事から擁壁又は排水施設の設置、改造等の工事を行うよう勧告 あるいは改善命令を受けたかたや、市長からがけ崩れ等の予防についての通知を受けてい るかたで、改善命令を受けた日から 6 ヶ月以内、又は勧告、通知を受けた日から1年以内 のかたに限ります。
行政から先に言われた方のための制度です。 自分で古い擁壁を見つけて直したいと思い立った段階では、まだ対象になりません。しかも期限つきで、改善命令なら6か月、勧告・通知なら1年です。
場所の条件もあります。
助成対象の場所・・・・宅地造成工事規制区域、急傾斜地崩壊危険区域及び これらと同程度の区域内で、高さが概ね2m以上、 こう配30°以上の斜面の崩壊などにより人家等に被害が生ず る恐れのある箇所です。
さらに、被害が予想される人家が新築・建替から10年経過していること(伐採工事は5年)という条件が付き、次の除外もあります。
人家を新築・建替する目的の工事は助成の対象から除外されます。
家を建てるついでに擁壁を直す、という組み合わせは対象から外れるということです。着手の順番は横浜市と同じ考え方です。
申請書を提出後、結果の通知【既成宅地等防災工事費補助 金交付決定通知書】が届いてから工事に着手をして下さい。 届く前に着手した場合は無効となります。
なお鎌倉市には、防災工事の補助金を受けた方向けに、金融機関から借りた分の利子の一部を助成する制度も併せて用意されています。
都道府県には、補助金ではなく工事そのもののレーンがあります
擁壁の補助を都道府県の単位で探すと、そこで行き止まりになります。当サイトで確認した範囲では、擁壁の工事費を都道府県が一律に助成する制度は見当たりません。助成は市区町村の側にあります。
代わりに都道府県が持っているのが、急傾斜地崩壊対策事業です。これは市の助成のように一部を負担する制度ではなく、県が工事そのものを行う仕組みで、根拠は急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律にあります。
都道府県は、急傾斜地崩壊防止工事のうち、制限行為に伴う急傾斜地の崩壊を防止するために必要な工事以外の工事で、当該急傾斜地の所有者、管理者若しくは占有者又は当該急傾斜地の崩壊により被害を受けるおそれのある者が施行することが困難又は不適当と認められるものを施行するものとする。
条文が全国共通なので、この仕組みはどの都道府県にもあります。ただし限定を読み落とさないでください。県が行うのは、その擁壁の所有者・管理者・占有者などが自分で工事をするのが難しい、または適当でないと認められるものだけです。自分で直せる擁壁は入りません。 横浜市も、市の助成と並べたうえで条件を付けています。
ただし、一定の基準を満たした場合には、 神奈川県の急傾斜地崩壊対策事業又は 横浜市の崖地防災・減災対策工事助成金制度を利用することができます。
そして、県が工事をした場合、その先も県が持ちます。
急傾斜地崩壊危険区域内の対策施設は、 神奈川県が工事を行い、所有・維持管理を行っています。
造った施設は県のものになり、その後の維持管理も県が行います。 自分で業者に頼んで一部を助成してもらう市の制度とは、話が別です。
区域の指定も都道府県です。同じ法律が、指定する人をこう定めています。
都道府県知事は、この法律の目的を達成するために必要があると認めるときは、関係市町村長(特別区の長を含む。以下同じ。)の意見をきいて、崩壊するおそれのある急傾斜地で、その崩壊により相当数の居住者その他の者に危害が生ずるおそれのあるもの及びこれに隣接する土地のうち、当該急傾斜地の崩壊が助長され、又は誘発されるおそれがないようにするため、第七条第一項各号に掲げる行為が行なわれることを制限する必要がある土地の区域を急傾斜地崩壊危険区域として指定することができる。
区域に入ると、自分で工事をするときの手続きも変わります。
急傾斜地崩壊危険区域内で切土、盛土、伐採などの法律に定められた工事を行う場合、 工事着手前に神奈川県知事の許可が必要になります。
相談の入口は市でかまいません。横浜市の建築防災課は、市の助成金の案内に加えて、基準を満たす場合には県の事業の案内も行うとしています。
建築防災課では、改善工事に対する助成金制度等のご相談とご案内のほか、 一定の基準を満たした場合に神奈川県の急傾斜地崩壊対策事業のご案内を行っています。
つまり、都道府県名で助成を探して見つからなくても、県のレーンが無いわけではありません。 市の窓口で、県の事業に当たるかどうかまで一度に聞くのが早い順番になります。
ブロック塀の撤去補助で擁壁そのものが出たのは、237市区町村中1市でした
擁壁の補助を探していて最初に見つかりやすいのが、ブロック塀等撤去の補助です。当サイトが公式ページで撤去補助を確認できた市区町村だけで237あります。数があるぶん先に目に入りますが、擁壁には届きません。
その237市区町村のうち、対象の説明に擁壁が出てくるのは33市区町村でした。中身を1件ずつ読むと、こう分かれます。
| 擁壁の出てくる文脈 | 例 |
|---|---|
| 塀の高さに擁壁を含めて数える | 北九州市・板橋区・桐生市・渋谷区 |
| 塀の高さから擁壁を除いて数える | 山形市・岡崎市・宇都宮市・鈴鹿市 |
| 擁壁は対象外と明記 | 町田市・豊田市・奈良市・二本松市・島田市 |
| 擁壁そのものを対象に含む | 市原市の1市だけ |
※ 表は横にスクロールできます
町田市の書き方がいちばん短く、はっきりしています。
注記:擁壁や土留めは対象外です。
よくある質問のほうでは、対象にならない部分としてこう挙げています。
土を押さえるための擁壁や土留めとして機能している部分
北九州市は逆に、高さを数えるときに擁壁を足します。
道路面から1メートル(擁壁高さを含む)以上の高さを有するブロック塀等
擁壁の高さのぶん、塀が補助の対象に入りやすくなるという書き方です。ただし出るのは塀の撤去費で、擁壁の撤去費ではありません。新潟市はさらに明確で、撤去工事費の計算から基礎や擁壁をこわす費用を外しています。
擁壁の上に塀が載っている場合の高さの数え方は市で分かれるので、擁壁の上のブロック塀は、高さをどこから数えるかにまとめました。自分の市のブロック塀撤去補助の額と条件は市区町村別のブロック塀撤去DBで確認できます。
自分の市に制度があるかを調べる順番
擁壁への助成は、置いている市が限られます。市のサイトで探すときは、この順番が早いです。
- がけ・崖地・急傾斜地で市サイトを検索する。 擁壁で引くより当たります。横浜市は崖地防災対策工事助成金、鎌倉市は既成宅地等防災工事資金助成制度で、どちらも制度名に擁壁の字が入っていません。
- 担当課の名前で探す。 横浜市は建築局建築防災課のがけ防災担当、鎌倉市は都市景観部みどり公園課のがけ地対策担当です。建築指導課ではなく、防災や宅地の側にあることがあります。
- 自分の土地が区域に入っているかを県で確かめる。 土砂災害警戒区域・特別警戒区域・急傾斜地崩壊危険区域は都道府県が指定していて、各県の砂防担当課が区域図を公開しています。多くの助成は、この区域に入っているかどうかを条件にしています。
- 制度が見つからなければ、移るほうを確かめる。 がけ地近接等危険住宅移転事業は国のメニューなので、擁壁の助成を持たない市でも実施していることがあります。
! ここに注意
どの市でも共通しているのが、契約・着工より前に窓口へ行くことです。横浜市も鎌倉市も、交付決定の前に契約や着手をしていると使えないと明記しています。相見積もりを取る前に、まず窓口で対象になるかを確かめてください。順番を逆にすると、金額の条件を満たしていても受けられません。
なお、民有地の擁壁を市が直してくれるわけではない点も、先に知っておいてください。横浜市はこう答えています。
一般的に崖地の維持管理は、土地の所有者、管理者、占有者等に責任があります。 土砂災害警戒区域等の民有地において、市で対策工事を実施することはできません。
そのうえで、一定の基準を満たす場合には県の急傾斜地崩壊対策事業か市の助成金制度を使えるとしています。
一定の基準を満たした場合、いずれかの助成制度を活用した改善が可能です。
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よくある質問
擁壁の補助金は、国の制度としてありますか?
擁壁そのものを直すための国の補助メニューは見当たりません。国土交通省が住宅・建築物安全ストック形成事業として示しているのは、危険な区域にある住宅を安全な場所へ移すためのがけ地近接等危険住宅移転事業で、補助の対象は危険住宅の除却費・引越費用と、移転先の住宅を建てる資金を借りたときの利息相当額です。擁壁を造り替える費用は入っていません。同じ場所にとどまって直す場合について、国土交通省のQ&Aは住宅・建築物の土砂災害対策改修に関する事業を検討するよう案内しています。擁壁の工事そのものにお金を出す制度は、市区町村が独自に作っているものになります。
横浜市の擁壁の助成金は、いくらまで出ますか?
制度が2つあり、上限が違います。崖地防災対策工事助成金は、対象となる工事費の3分の1、または市が定めた工法別単価で計算した金額、または限度額400万円のうち、いちばん少ない額です。崖地減災対策工事助成金は、工事費の2分の1、または工法別単価、または限度額100万円か50万円のうち、いちばん少ない額です。分かれ目は工事の中身で、建築基準法や盛土規制法の手続きが必要になる擁壁工事などが防災、原則としてその手続きを要さない工事が減災です。造り替えは防災、補強は減災、と考えると近くなります。割合だけを見ると大きい工事のほうが低いのですが、上限が4倍違います。
古い擁壁が心配です。市に頼めば直してもらえますか?
横浜市は、民有地の擁壁は所有者の側で対応するものと案内しています。崖地に関するQ&Aで、崖地の維持管理は土地の所有者・管理者・占有者などに責任があり、土砂災害警戒区域等の民有地で市が対策工事を実施することはできない、と案内しています。そのうえで、一定の基準を満たす場合には県の急傾斜地崩壊対策事業や市の助成金制度を使えるとしています。まず自分の擁壁が助成の基準に当たるかを、市の崖地・宅地の担当窓口に相談するところからになります。
大谷石や玉石を積んだ擁壁は、補助の対象になりますか?
市によります。横浜市は崖地に関するQ&Aで、大谷石やガンタ石、玉石による擁壁は現在の基準に適合しないとしたうえで、一定の基準を満たす場合は造り替えなら崖地防災対策工事助成金制度、補強なら崖地減災対策工事助成金制度を使えると案内しています。増し積みの擁壁については、法令上認められていないとしたうえで、増し積み部分を撤去して法面に戻す方法にも触れています。ただしこれは横浜市の制度の話で、擁壁への助成そのものを持っていない市もあります。まずお住まいの市に制度があるかどうかからの確認になります。
鎌倉市の擁壁の補助は、誰でも申し込めますか?
対象になる方が限られています。既成宅地等防災工事資金助成制度の対象は、災害の防止のために県知事から擁壁または排水施設の設置・改造などの工事を行うよう勧告あるいは改善命令を受けた方か、市長からがけ崩れ等の予防についての通知を受けている方で、改善命令を受けた日から6か月以内、または勧告・通知を受けた日から1年以内の方に限られます。金額は防災工事が工事費の2分の1で上限500万円、伐採工事が2分の1で上限100万円です。行政から先に言われた方のための制度なので、自分から思い立って申し込む形にはなっていません。
ブロック塀の撤去補助で、擁壁の分も出ますか?
出ない市がほとんどです。当サイトが公式ページでブロック塀等の撤去補助を確認した237市区町村のうち、対象の説明に擁壁が出てくるのは33市区町村でしたが、そのうち擁壁そのものを撤去の対象に含めていると読めたのは市原市の1市だけでした。残りは、塀の高さを数えるときに擁壁の高さを足すか引くかという話か、擁壁は対象外という注記です。町田市はブロック塀等撤去助成のページに擁壁や土留めは対象外だと明記しています。新潟市は撤去工事費の計算から擁壁をこわす費用を外しています。塀の補助で擁壁まで賄えると考えないほうが安全です。
東京都や神奈川県に、擁壁の助成はありますか?
当サイトで確認した範囲では、擁壁の工事費を都道府県が一律に助成する制度は見当たりません。助成は市区町村の側にあります。ただし都道府県には、急傾斜地崩壊対策事業という別のレーンがあります。これはお金を出す制度ではなく、県が工事そのものを行うもので、急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律第12条第1項が根拠です。条文は全国共通なので、この仕組みはどの都道府県にもあります。ただし県が行うのは、その擁壁の所有者・管理者・占有者などが施行することが困難または不適当と認められる工事に限られていて、自分で直せる擁壁は入りません。造った施設は県が所有し、維持管理も県が行います。区域の指定も都道府県で、区域内で切土・盛土・伐採などを行うときは着手前に知事の許可が要ります。相談の入口は市の窓口でかまいません。横浜市の建築防災課は、市の助成金の案内に加えて、基準を満たす場合には県の事業の案内も行うとしています。
まとめ
- 擁壁の補助は、直す市の独自制度と、移る国のメニューの2系統に分かれます
- 国の側に擁壁を直す補助は見当たりません。 移転か、住宅の土砂災害対策改修です
- 横浜市は、法律の手続きが要る工事を防災、要らない工事を減災として制度を分けています
- 横浜市の助成には市内に本社のある事業者との契約という条件が付きます
- 鎌倉市は、県知事の勧告・改善命令や市長の通知を受けた方に対象を限っています
- ブロック塀撤去の補助は擁壁には届きません(237市区町村中、対象に含めていたのは1市)
- 都道府県が持っているのは助成ではなく、急傾斜地崩壊対策事業=工事そのものです
- 横浜市も鎌倉市も、交付決定より前に契約・着工すると使えません
擁壁を造るとき・造り替えるときの手続きは擁壁の確認申請に、塀のほうの決まりはブロック塀と建築基準法にまとめています。
※本記事の制度情報は2026年8月11日時点で、各市の公式ページと国土交通省の公表資料を確認したものです。金額・受付期間・対象条件は年度ごとに変わります。工事の前に、お住まいの市の担当窓口にご確認ください。
参考情報(出典)
- 横浜市崖地【防災】対策工事助成金制度について(横浜市)(確認日 2026-08-11)
- 横浜市崖地【減災】対策工事助成金制度について(横浜市)(確認日 2026-08-11)
- 崖地に関するQ&A(横浜市)(確認日 2026-08-11)
- 既成宅地等防災工事資金助成制度 パンフレット(鎌倉市・PDF)(確認日 2026-08-11)
- がけ地対策(鎌倉市)(確認日 2026-08-11)
- ブロック塀等撤去助成(町田市)(確認日 2026-08-11)
- 北九州市ブロック塀等除却工事費補助制度(北九州市)(確認日 2026-08-11)
- 住宅・建築物安全ストック形成事業(がけ地近接等危険住宅移転事業)(国土交通省・PDF)(確認日 2026-08-11)
- がけ地近接等危険住宅移転事業に関するQ&A(国土交通省・PDF)(確認日 2026-08-11)
家の補助金ナビ編集部
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