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増築すると固定資産税は上がります——市が知る3つの道と、家屋調査で見られるもの

公開 2026年8月15日最終更新 2026年8月15日執筆 家の補助金ナビ編集部

増築の固定資産税は、工事が終わった翌年度から上がります。増やした床面積の分だけ家屋の評価額が積み上がるからです。

ただし、上がるのは増築した部分が固定資産税でいう家屋に当たるときだけです。カーポートや、ブロックの上に置いただけの物置は当たりません。

そして、登記したかどうかは関係ありません。 市が増築を知る道は登記所からの通知のほかに2つあり、登記されていない家屋のための台帳も別に用意されています。

ここでは、何が課税の対象になるのか、市はどうやって知るのか、家屋調査で何を見られるのか、いつまでさかのぼれるのかを、地方税法の条文と市区町村の公式案内で並べます。

先に結論

✓ ここが要点

  • 上がるのは翌年度から。増築した部分が地方税法341条3号の家屋に当たるときです
  • 家屋かどうかの目印は3つ。外気分断性・土地への定着性・用途性(能代市)
  • カーポートは周壁が無いので当たりません。 ブロックの上に置いただけの物置も定着性で外れます
  • 判断は登記の有無にかかわらず行われます(能代市)
  • 市が知る道は3つ。登記所からの通知(382条1項)・建築確認・市内の巡回(久喜市)
  • 逆向きもあります。市町村長から登記所へ登記を申し出られる(381条7項)
  • 未登記でも課税されます。 家屋補充課税台帳という別の台帳があります(343条2項・381条4項)
  • 税率は100分の1.4が標準(350条1項)。かける相手の評価額は固定資産評価基準で決まります(403条1項)
  • 家屋調査で見るのは外部仕上げ・内部仕上げ・建築設備の個数(久喜市)。床暖房など一体の設備も対象です(静岡市)
  • 実地調査が難しいときは郵送や図面での調査を選べる市があります。断る前に方法の相談を
  • さかのぼれるのは5年(17条の5第5項)。不正があれば7年(同7項)
  • 高いと思ったときの道は固定資産評価審査委員会への審査の申出(423条1項・432条1項)。争えるのは税額でなく価格です
  • ただし据え置かれた年度は原則として申し出られません(432条1項ただし書)。価格が新しく決まる年に確かめるのが要点です
  • 附則15条の6の減額は新築された住宅に対するもので、増築を対象にした規定ではありません。 減額があるのは工事の中身のほうです

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上がるのは「家屋に当たるとき」だけです

固定資産税の言葉づかいから確かめます。地方税法第341条第3号が、家屋を定義しています。

三 家屋住家、店舗、工場(発電所及び変電所を含む。)、倉庫その他の建物をいう。

その他の建物、という受け皿があるので、これだけでは線が引けません。能代市は、この家屋を不動産登記法の建物と意義を同じくするものと説明したうえで、判定の目印を3つ挙げています。

このことから、調査対象(課税対象)となる家屋は、登記の有無にかかわらず次の要件をすべて満たす建物となります。

条件 中身(能代市) 外れる例
外気分断性 屋根があり、3方向以上壁で囲われていて、独立して雨風等をしのぐことができること 支柱と屋根材のみのカーポート等
土地への定着性 基礎工事や附帯設備の状況により土地への物理的な結合状態があること ブロックの上に市販の簡易物置やコンテナを乗せた状態
用途性 建造物が家屋本来の目的(居住・作業・貯蔵等)に供し得る状態であること

※ 表は横にスクロールできます

カーポートに固定資産税がかからないと言われるのは、壁が無いからです。 屋根と柱だけでは外気分断性を満たしません。逆に、三方を壁で囲んで基礎を打ったガレージは当たる側に寄ります。

不動産登記法の側の条文と、登記の要否は増築したときの建物の登記に引きました。同じ3つの条件の枠を、税と登記の両方が使っているという関係です。

! ここに注意

能代市は、建築基準法の新築・増築・改築の区分と税法上の区分は必ずしも同一ではありませんと注記しています。建築確認が要らない規模の工事でも税は動くことがあり、逆もあります。増築という同じ言葉が、法律ごとに別に定義されているためです。地方税法は第73条第7号で増築を家屋の床面積又は体積を増加することと定めていますが、これは不動産取得税のための定義で、建築基準法にも不動産登記法にも別の物差しがあります。建築・登記・税の3本を、それぞれ確かめてください。

工事の内容によっては市の補助金が使えることがあります。自分の市にあるかは都道府県別の一覧から探せます。

市が知る道は、3つあります

登記しなければバレない、ということはありません。 増築が市にバレるとしたら、どの道を通ってか。久喜市が、把握の経路をそのまま公開しています。

通常、新築や増築が完了した家屋につきましては、所有者の方が登記手続(表示登記)を実施します。この登記が完了いたしますと、法令にしたがい、管轄の法務局から市に関係書類(登記済通知書)が届きます。市は、この書類を基に新増築家屋を把握し、調査の計画を立てます。また、登記のない家屋についても、建築確認申請を参照したり、市内を巡回して新増築家屋の把握に努めています。

1つめの法令にしたがいが指しているのが、地方税法第382条第1項です。

登記所は、土地又は建物の表示に関する登記をしたときは、十日以内に、その旨その他総務省令で定める事項を当該土地又は家屋の所在地の市町村長に通知しなければならない。

10日以内という期限つきで、登記所の側に義務がかかっています。同条第3項は、通知を受けた市町村長は遅滞なく課税台帳に記載しなければならないとしています。登記を入れれば、そこから自動的に税の側へ流れる作りです。

2つめが建築確認申請、3つめが市内の巡回です。この2つは登記を経由しません。静岡市も、法務局からの通知または所有者からの連絡等により把握すると書いていて、経路が1本でないことは複数の市が公開しています。

さらに、逆向きの規定もあります。地方税法第381条第7項です。

市町村長は、登記簿に登記されるべき土地又は家屋が登記されていないため、又は地目その他登記されている事項が事実と相違するため課税上支障があると認める場合には、当該土地又は家屋の所在地を管轄する登記所にそのすべき登記又は登記されている事項の修正その他の措置をとるべきことを申し出ることができる。

登記所から市町村へ流れるだけでなく、市町村から登記所へ、登記をすべきだと申し出る道が法律に書かれているということです。登記と課税は片側通行ではありません。

未登記のままにした場合に登記の側で何が起きるかは未登記の増築部分にまとめました。

家屋調査で見るのは、建物の中身です

把握されたあとに来るのが家屋調査です。何のためかというと、税額そのものではなく評価額を出すためです。久喜市の説明が具体的です。

この調査では、家屋1棟ごとに屋根や外壁等の外部仕上げ、天井・内壁・床等の内部の仕上げ、建築設備の個数などを確認させていただき、その結果を基に1棟の評価額を積算します。

どこまで見るかは、この一文に尽きます。見るのは仕上げの資材と設備の量で、家財や持ち物を調べるものではありません。気をつけることは1つで、図面をそろえておくことです。持ち物のチェックリストは各市が公開しています。静岡市は、対象に含まれる設備の範囲も書いています。

なお、建物と一体となっている設備(例:床暖房、ビルトイン方式の空調設備等)は課税対象となります。

置いてあるエアコンと、埋め込んだ空調では扱いが変わる、ということです。

方法は1つではありません。立ち入りを拒否したいときや都合がつかないときは、書類のみで進める道が用意されています。実地調査が難しいときは、断る前に方法の相談をしてください。

選べる方法
松戸市 オンライン申請システム/現地調査/郵送調査の3つから選択
新座市 実地調査/郵送による図面評価の2つ
久喜市 訪問での調査のほか、図面での調査を希望する場合は担当へ連絡
静岡市 日程を調整。留守のときは調査依頼のチラシを投函

※ 表は横にスクロールできます

用意するものも各市が公開しています。北名古屋市は建築確認申請書一式と図面集(平面図、立面図、仕上表など)、長期優良住宅の場合は認定通知書を挙げています。能代市は検査済証の写しと工事完了引渡書等の写し、竣工図を挙げています。増築なら、その工事の図面です。

所要時間は市と建物で違います。新座市は一般的な住宅で税の説明も含めて30分程度、北名古屋市は約1時間、能代市は木造で概ね30分程度としています。職員は身分を示す証明書を携帯しているので、確かめてかまいません。

届出は、登記をすれば要りません

「増築の届出はどこに出すのか」という問いへの答えは、登記をするなら別に出す必要はないです。第382条第1項の通知が届くからです。

問題は、登記が遅れる場合と、登記しない場合です。静岡市が、そのときの案内を書いています。

諸事情により表題登記が遅れる場合は、固定資産税課または清水市税事務所まで新築した旨をご連絡ください。

連絡しないでいると、市の側は建築確認や巡回で把握することになります。こちらから連絡したほうが、調査の日程を選べます。 静岡市は、調査を早めに希望する場合は連絡してほしい、貸家を新築・増築した場合は借家人が入居される前に連絡してほしいとも書いています。北名古屋市も、入居前の調査を希望する場合は連絡するよう案内しています。

窓口の名前は市によって違います(固定資産税課・資産税課・課税課・税務課など)。増築 家屋調査増築 固定資産税で市区町村名と一緒に検索すると、その市のページが出ます。

いくらになるかは、評価額で決まります

税率のほうは条文に書かれています。地方税法第350条第1項です。

固定資産税の標準税率は、百分の一・四とする。

標準税率なので、市町村がこれと違う税率を条例で定めることもあります。まず自分の市の税率を確かめてください。いつからかは、工事が終わった翌年度からです。区切りは年度末ではなく1月1日で、能代市は令和7年1月2日から令和8年1月1日の間に完成した場合は令和8年度から課税と例を示しています。

✎ 私の調査メモ

増築で動く税は、固定資産税だけではありません。不動産取得税もあります。地方税法第73条の2第1項は、不動産取得税は不動産の取得に対し、当該不動産所在の道府県において、当該不動産の取得者に課すると定めています。そして同法第73条第6号は建築を家屋を新築し、増築し、又は改築することと定め、第7号は増築を家屋の床面積又は体積を増加することと定めています。増築はこの税の言葉のなかにはっきり書かれている、ということです。こちらは市町村ではなく都道府県の税で、控除や軽減の条件も別に決まっています。当サイトではまだ扱っていないので、金額と要否は都道府県の県税事務所に確かめてください。

かける相手である評価額は、自分では計算できません。決め方が全国共通の基準に委ねられているからです。第388条第1項が、総務大臣は評価の基準並びに評価の実施の方法及び手続を定めてこれを告示しなければならないとしていて、これが固定資産評価基準です。そのうえで第403条第1項が市町村長を縛ります。

市町村長は、第三百八十九条又は第七百四十三条の規定によつて道府県知事又は総務大臣が固定資産を評価する場合を除く外、第三百八十八条第一項の固定資産評価基準によつて、固定資産の価格を決定しなければならない。

市町村長に裁量はありません。 基準どおりに決める義務がかかっています。だからこそ、資材と設備を1つずつ数える家屋調査が要ります。

もう1つ、増築ならではの点があります。家屋の価格は3年ごとの基準年度に決めるのが原則ですが、第349条第2項ただし書が例外を置いていて、その第1号がこれです。

一 地目の変換、家屋の改築又は損壊その他これらに類する特別の事情

基準年度の途中でも価格を見直す事情が定められているということです。ここに増築が当てはまるかどうかの判断は市が行いますが、市の案内はいずれも完成した翌年度から課税としているので、次の基準年度を待つ形にはなりません。この第1号は、あとで出てくる審査の申出でもう一度出てきます。

この記事では金額の目安を書きません。6畳を足したらいくら、という形の答えは出せないからです。同じ床面積でも使った資材と設備で変わり、増築の場合は増築部分だけでなく家屋全体が見直されることがあります。目安が知りたいときは、図面を持って資産税の窓口に相談してください。

工事の内容によっては減額の制度があります。書類の出どころは増改築等工事証明書、耐震の場合は住宅耐震改修証明書にまとめました。

未登記でも課税されます

ここが誤解の集まる場所です。登記しなければ課税されない、という関係にはなっていません。

納税義務者を定めているのは第343条です。第1項が所有者に課すとしたうえで、第2項が所有者の意味を決めています。

前項の所有者とは、土地又は家屋については、登記簿又は土地補充課税台帳若しくは家屋補充課税台帳に所有者(中略)として登記又は登録がされている者をいう。

登記簿または課税台帳、と書かれています。登記簿だけを見る作りではありません。その家屋補充課税台帳の中身が第381条第4項です。

市町村長は、家屋補充課税台帳に、総務省令で定めるところにより、登記簿に登記されている家屋以外の家屋でこの法律の規定により固定資産税を課することができるものの所有者の住所及び氏名又は名称並びにその所在、家屋番号、種類、構造、床面積及び基準年度の価格又は比準価格を登録しなければならない。

登記簿に登記されている家屋以外の家屋のための台帳です。しかも登録は義務です。未登記の家屋は、この台帳に載って課税されます。

名義変更をしたいときの手続きも、登記とは別に用意されています。古い建物ほど、この形になっていることがあります。 松戸市は未登記家屋の所有者変更についてのページを設けています。登記の名義と課税台帳の名義は別に動くので、片方だけ直しても片方は残ります。相続のときはとくに、両方の手続きを並べて確かめてください。

登記の側の手順と期限は未登記の増築部分にまとめました。

さかのぼりは5年。不正があれば7年です

過去にさかのぼって課税されるかどうかにも、上限があります。地方税法第17条の5です。第3項は賦課決定を3年としていますが、第5項が例外を置いています。

不動産取得税、固定資産税又は都市計画税に係る賦課決定は、前二項の規定にかかわらず、法定納期限の翌日から起算して五年を経過した日以後においては、することができない。

固定資産税だけ、一般の3年より長い5年です。ここは間違えやすいところなので、3年で覚えないでください。

さらに第7項があります。

偽りその他不正の行為により、その全部若しくは一部の税額を免れ、若しくはその全部若しくは一部の税額の還付を受けた地方税についての更正、決定若しくは賦課決定又は当該地方税に係る加算金の決定は、前各項の規定にかかわらず、法定納期限の翌日から起算して七年を経過する日まですることができる。

条文が置いているのは期間の上限であって、必ず上限まで課税されるという意味ではありません。実際に何年分になるかは市の判断と事情によります。心当たりがあるときは、来るのを待つより自分から資産税の窓口に相談してください。

高いと思ったときの、正しい道

家屋調査の対策や裏ワザを探している人がいます。評価額を下げる裏道はありませんが、不服を申し立てる制度は法律に置かれています。

まず、誰が審査するのかです。地方税法第423条第1項が、その場所を定めています。

固定資産課税台帳に登録された価格に関する不服を審査決定するために、市町村に、固定資産評価審査委員会を設置する。

課税をした部署とは別に、審査するための委員会が市町村に置かれている、ということです。第2項は委員の定数を3人以上としています。

申し出られる人と期限は第432条第1項です。

固定資産税の納税者は、その納付すべき当該年度の固定資産税に係る固定資産について固定資産課税台帳に登録された価格

について不服がある場合に、審査の申出をすることができるとされています。期限は、価格を登録した旨の公示の日から納税通知書の交付を受けた日後3か月を経過する日までです。

対象は価格であって、税額ではありません。 かけ算の結果が高いと感じるときも、争えるのは分子である評価額のほうです。だからこそ、家屋調査のときに図面をそろえて正確に見てもらうことが、あとになって効いてきます。

そして、いつでも申し出られるわけではありません。 同項にはただし書があります。

ただし、当該固定資産のうち第四百十一条第三項の規定によつて土地課税台帳等又は家屋課税台帳等に登録されたものとみなされる土地又は家屋の価格については、当該土地又は家屋について第三百四十九条第二項第一号に掲げる事情があるため同条同項ただし書、第三項ただし書又は第五項ただし書の規定の適用を受けるべきものであることを申し立てる場合を除いては、審査の申出をすることができない。

言いかえると、前の年の価格がそのまま据え置かれた年度は、原則として申し出られません。 例外は、第349条第2項第1号の事情があるので価格を見直すべきだと申し立てる場合です。上で引いた「地目の変換、家屋の改築又は損壊その他これらに類する特別の事情」が、ここで効いてきます。

増築のように価格が新しく決まる年は、その年が申し出のできる年です。納税通知書が来たら、まずその年に確かめてください。

できる準備は3つあります。

  1. 調査の前に図面をそろえる——建築確認申請書、平面図、立面図、仕上表。増築なら、その工事のぶんも

  2. 納税通知書が来たら課税明細を見る——床面積と構造が実際と合っているかを確かめます

  3. 合っていなければ、まず資産税の窓口へ——それでも納得できないときが、審査の申出です

「軽減」があるのは、工事の中身のほうです

増築 固定資産税 軽減で調べると出てくるのが、新築住宅の減額です。地方税法附則第15条の6の見出しは新築された住宅に対する固定資産税の減額で、対象は新築された住宅です。増築それ自体に対する減額の制度ではありません。

減額があるのは、工事の中身が決められた種類に当たる場合です。

工事 減額の性格 要る書類
耐震改修 家屋の固定資産税の減額 住宅耐震改修証明書など
バリアフリー改修 同上 増改築等工事証明書
省エネ改修 同上 増改築等工事証明書
長期優良住宅化リフォーム 同上 増改築等工事証明書ほか

※ 表は横にスクロールできます

増築とこれらの工事を一緒にする場合は、証明書に何を書いてもらうかを工事の前に決めておいてください。 終わってから頼むと、確認できないものが出てきます。誰が証明書を出すのかと様式は増改築等工事証明書住宅耐震改修証明書にまとめました。

増築のまえの順番

  1. 増やす部分が家屋に当たるかを見る——屋根と3方向以上の壁があるか、基礎で土地に定着するか

  2. 市の税率を確かめる——標準は100分の1.4ですが、条例で違うことがあります

  3. 登記の段取りを決める——登記を入れれば10日以内に市へ通知が行きます。遅れるなら市へ連絡を

  4. 減額の対象になる工事を一緒にするかを決める——するなら証明書の中身を工事の前に業者と決めます

  5. 調査の方法と時期を選ぶ——入居前を希望するなら早めに連絡します。実地が難しければ郵送や図面での調査を相談します

よくある質問

増築すると固定資産税はどのくらい上がりますか?

金額はこの記事では書きません。地方税法第350条第1項が標準税率を100分の1.4と定めているので、かけ算そのものは単純ですが、かける相手である評価額を自分で計算できないためです。評価額は第403条第1項により、総務大臣が第388条第1項に基づいて定めて告示する固定資産評価基準によって市町村長が決定します。使われている資材と設備の量から積み上げる方式なので、同じ広さでも中身で変わります。久喜市は、屋根や外壁等の外部仕上げ、天井・内壁・床等の内部の仕上げ、建築設備の個数などを確認し、その結果を基に1棟の評価額を積算すると案内しています。増築の場合は増築部分だけでなく家屋全体が見直されることがあるので、目安が知りたいときは市区町村の資産税の窓口に確認してください。

増築したことは市にどうやって分かるのですか?

道は1つではありません。久喜市は、登記が完了すると法令にしたがい管轄の法務局から市に関係書類が届き、それを基に新増築家屋を把握すると案内したうえで、登記のない家屋についても建築確認申請を参照したり市内を巡回して把握に努めていると書いています。1つめの根拠が地方税法第382条第1項で、登記所は土地又は建物の表示に関する登記をしたときは10日以内に市町村長へ通知しなければならないとしています。2つめが建築確認の情報、3つめが市の巡回です。逆向きの規定もあり、同法第381条第7項は、登記されるべき家屋が登記されていないため課税上支障があると認める場合に、市町村長から登記所へ登記すべきことを申し出ることができるとしています。

増築しても固定資産税がかからない場合はありますか?

増築した部分が固定資産税でいう家屋に当たらない場合です。地方税法第341条第3号は家屋を住家、店舗、工場、倉庫その他の建物と定めています。能代市はこれを、不動産登記法の建物と意義を同じくするものと説明したうえで、登記の有無にかかわらず外気分断性・土地への定着性・用途性の3つの条件をすべて満たす建物が調査対象になるとしています。同市は例として、支柱と屋根材のみで建てられたカーポート等は周壁がないので外気分断性が認められない、コンクリートブロックの上に市販の簡易物置やコンテナを乗せた状態だけでは定着性が認められないと書いています。基礎を打って壁で囲えば当たる側に寄るので、屋根と壁があるかどうかで見当をつけてください。

増築の届出は必要ですか?

登記をすればその通知が市に届くので、別に届け出る仕組みではありません。ただし登記が遅れる場合は連絡が要ります。静岡市は、表題登記を行った場合は市に対して法務局よりその旨の通知があるとしたうえで、諸事情により表題登記が遅れる場合は固定資産税課または清水市税事務所まで新築した旨を連絡してくださいと案内しています。未登記のままにする場合も同じで、市の側は建築確認や巡回で把握しますが、こちらから連絡したほうが調査の日程を選べます。届出の名前や様式は市区町村ごとに違うので、資産税の窓口に確認してください。

家屋調査では何を見られるのですか。断れますか?

見るのは建物の中身です。久喜市は、家屋1棟ごとに屋根や外壁等の外部仕上げ、天井・内壁・床等の内部の仕上げ、建築設備の個数などを確認すると案内しています。静岡市は、建物と一体となっている設備は課税対象になるとして、床暖房やビルトイン方式の空調設備を例に挙げています。持ち物や家財を見るものではありません。断れるかについては、市によって実地調査以外の方法が用意されています。松戸市はオンライン申請・現地調査・郵送調査の3つから選ぶ形、新座市は実地調査か郵送による図面評価かの2つ、久喜市も図面での調査を希望する場合は担当へ連絡してほしいとしています。都合が悪いときは、断るより先に方法の変更を相談してください。

何年もさかのぼって追徴されることはありますか?

期間の上限が決まっています。地方税法第17条の5第3項は賦課決定を法定納期限の翌日から3年としていますが、第5項が例外を置いていて、不動産取得税・固定資産税・都市計画税に係る賦課決定は法定納期限の翌日から5年とされています。固定資産税だけ一般の規定より長い形です。さらに第7項は、偽りその他不正の行為により税額を免れた場合について、法定納期限の翌日から7年とすると定めています。何年分になるかは市の判断と事情によるので、心当たりがあるときは自分から資産税の窓口に相談してください。

未登記のままなら固定資産税はかからないのですか?

かかります。地方税法第343条第2項は、土地又は家屋の所有者を登記簿または土地補充課税台帳・家屋補充課税台帳に登記または登録がされている者としていて、登記簿だけを見る作りにはなっていません。第381条第4項が、市町村長は家屋補充課税台帳に、登記簿に登記されている家屋以外の家屋で固定資産税を課することができるものの所有者の住所・氏名、所在、家屋番号、種類、構造、床面積、価格を登録しなければならないと定めています。未登記の家屋のための台帳が用意されているということです。名義を変えたい場合の手続きは市区町村ごとに用意されていて、松戸市は未登記家屋の所有者変更についてのページを設けています。登記と税は別に動くので、片方だけ直しても片方は残ります。

増築に固定資産税の軽減はありますか?

増築したこと自体に対する減額はありません。地方税法附則第15条の6の減額は、その見出しのとおり新築された住宅に対するものです。減額があるのは、工事の中身が決められた種類に当たる場合です。耐震改修、バリアフリー改修、省エネ改修、長期優良住宅化のリフォームには家屋の固定資産税を減額する制度があり、申告のときに増改築等工事証明書などの書類が要ります。増築とこれらの工事を一緒にする場合は、証明書に何を書いてもらうかを工事の前に決めておいてください。当サイトでは増改築等工事証明書と住宅耐震改修証明書の記事に、誰が出すのかと様式をまとめています。

まとめ

  • 増築の固定資産税は工事が終わった翌年度から上がります。増築部分が家屋に当たるときです
  • 家屋の定義は地方税法341条3号。線を引く目印は外気分断性・土地への定着性・用途性の3つです(能代市)
  • カーポートは周壁が無いので外れます。 ブロックの上に置いた簡易物置は定着性で外れます
  • 判定は登記の有無にかかわらず行われます。登記していないから税がかからない、という関係ではありません
  • 建築基準法の区分と税法上の区分は必ずしも同一ではありません(能代市)。物差しは建築・登記・税の3本です
  • 市が知る道は3つ。登記所からの通知・建築確認申請・市内の巡回(久喜市)
  • 登記所からの通知は10日以内が義務(382条1項)。受けた市町村長は遅滞なく台帳へ記載します(同3項)
  • 逆向きに、市町村長から登記所へ登記を申し出られます(381条7項)
  • 家屋調査で見るのは外部仕上げ・内部仕上げ・建築設備の個数(久喜市)。家財は見ません
  • 建物と一体の設備は対象です。床暖房やビルトインの空調が例に挙げられています(静岡市)
  • 実地が難しければ郵送・図面・オンラインの方法がある市があります。断るより先に相談してください
  • 届出は、登記をすれば別に要りません。 登記が遅れるなら市へ連絡を(静岡市)
  • 税率の標準は100分の1.4(350条1項)。条例で違うことがあります
  • 評価額は固定資産評価基準で決まり、市町村長に裁量はありません(388条1項・403条1項)
  • 家屋の価格は3年ごとの基準年度が原則ですが、349条2項ただし書1号が途中で見直す事情を定めています(この号は審査の申出でも効きます)
  • 未登記でも課税されます。 家屋補充課税台帳への登録は市町村長の義務です(343条2項・381条4項)
  • 課税台帳の名義と登記の名義は別に動きます。相続のときは両方を確かめてください
  • さかのぼれるのは5年(17条の5第5項)。一般の3年より長い例外です。不正があれば7年(同7項)
  • 附則15条の6の減額は新築された住宅に対するもので、増築を対象にした規定ではありません
  • 減額があるのは工事の中身のほう。耐震・バリアフリー・省エネ・長期優良には制度と書類があります
  • 評価額に納得できないときは固定資産評価審査委員会へ(423条1項)。期限は納税通知書の交付を受けた日後3か月(432条1項)
  • 据置年度は原則として申し出られません(同項ただし書)。例外は349条2項1号の事情を申し立てる場合。価格が動く年に確かめる
  • 争えるのは価格であって税額ではありません。 だから家屋調査のときに図面をそろえることが効いてきます

登記の側の手順と期限は未登記の増築部分増築したときの建物の登記、工事に建築確認が要るかはリフォームの建築確認、建てられる大きさの上限は増築と建ぺい率・容積率にまとめました。家をこわしたときに土地の税がどうなるかは解体後の固定資産税です。自分の市の補助金は都道府県別の一覧から探せます。

※本記事の制度情報は2026年8月15日時点で、e-Gov法令検索の条文原文と各市の公表資料を確認したものです。税率・窓口・調査の方法は市区町村ごとに異なります。個別の課税の扱いは、お住まいの市区町村の資産税担当にご確認ください。

参考情報(出典)

家の補助金ナビ編集部

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外壁塗装・窓・断熱などの住宅リフォームで使える補助金を、工事のまえに調べるための情報サイトです。制度の情報は国・自治体の公式ページで確認し、確認日を明記して執筆しています。制度の変更・誤りを見つけた場合は運営者情報の連絡先までお知らせください。

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