転落防止の柵は対象外です——ただしスロープに付ける柵は付帯工事として対象になります
階段や通路から落ちそうで危ない。柵を付けたいが、手すりと柵は制度上まったく別の扱いになります。
結論から言うと、この工事の介護保険での扱いは対象外です。落ちるのを止めるための柵は出ません。手すりとして体を支えるものが対象です。
このページでは、そう判定される理由を公式のQ&Aの逐語で示したうえで、理由書に何を書けば通るのか、そして介護保険で出ない場合にお住まいの市の制度が拾っている可能性まで、当サイトが公式ページで確認したデータで確かめます。
先に結論
✓ ここが要点
出るか — 落ちるのを止めるための柵は出ません。手すりとして体を支えるものが対象です
市の上乗せ制度は — 当サイトが公式ページで確認した300市区町村のなかに、この工事を名指しした記載は見つかりませんでした
共通の条件 — 申請は工事を始めるまえです。着工したあとでは、対象の工事でも受け取れません
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お住まいの市に上乗せの制度があるかを、30秒で確認できます
郵便番号を入れると、その市の介護リフォームの制度と国の制度を1画面にまとめて表示します。この工事のように介護保険では出ない工事でも、市の制度が拾っていることがあります。
お住まいの市の制度を見る公式ページで確認した情報のみ(各項目に確認日つき)
なぜ「対象外」になるのか
相模原市は、2階からの転落防止のために階段に柵を取り付けたいという相談に対して、柵の設置は住宅改修の対象にはなりませんと回答しています。
泉佐野市はもう少し理由を書いています。通路の片側が崖になっていて転落の恐れがあるので柵の代わりとして手すりを設置したい、というケースについて、手すりとしてではなく、柵の機能を期待して設置する場合は対象外、としています。
つまり見られているのは形ではなく機能です。体を支えるために握るものが手すり、落ちるのを物理的に止めるものが柵。同じ棒でも、期待している役割で分かれます。
公式のQ&Aには、こう書かれています
✎ 私の調査メモ
当サイトの編集部は、2026年8月8日に相模原市・泉佐野市・八王子市が公開している住宅改修のQ&A・手引き(いずれもPDF)を取得し、全文から該当箇所を書き写しました。以下は要約ではなく、原典の問答をそのまま引いたものです。読みやすさのために句読点と改行だけ整えています。
同じ工事でも市によって扱いが違う場合があります。 最後はお住まいの市の窓口でご確認ください。
相模原市|工事全般に係るQ&A(1)手すりの取付け ㉑
Q. 2階からの転落防止のため階段に柵を取付けたいが、住宅改修の対象となりますか。
A. 柵の設置は住宅改修の対象にはなりません。
泉佐野市|(1)手すりの取付け Q12
Q. 通路の片側が崖になっており、転落の恐れがあるため、柵の代わりとして手すりを設置したい。
A. 手すりとしてではなく、柵の機能を期待して設置する場合は、保険給付の対象外です。
八王子市|住宅改修の対象工事(6)付帯して必要となる住宅改修
Q. 段差の解消・床材の変更に付帯して認められる工事
A. 居室、廊下の床工事のための下地工事。通路面の材料の変更に伴う路盤整備。浴室の床工事に伴う給排水設備工事。スロープの設置に伴う転落や脱輪防止を目的とする柵や立ち上がりの設置
この工事で、実際につまずくところ
同じ柵でも、スロープに付けるものは対象です
ここが、3市の資料を突き合わせて初めて見えてくる部分です。
階段の転落防止の柵は対象外(相模原市)。しかし八王子市の手引きは、付帯して必要となる住宅改修のなかにスロープの設置に伴う転落や脱輪防止を目的とする柵や立ち上がりの設置をはっきり挙げています。
矛盾ではありません。スロープの柵は、対象になる工事に必要な部品だからです。ここでの本体はスロープの設置です。単独では出ないが、本体の工事に付いてくるなら出る——ドアノブや戸車、手すりサポートと同じ構造です。
車いすでスロープを使うなら、脱輪防止の立ち上がりは安全上ほぼ必須です。見積もりに入れてもらってください。
八王子市は「付帯する転落防止柵」を段差の解消に含めています
さらに八王子市の手引きは、段差の解消の説明そのものにも「(傾斜の解消、付帯する転落防止柵の設置を含む)」という但し書きを入れています。
つまり八王子市では、段差を解消する工事に伴う転落防止の柵は、段差の解消の一部として扱われます。相模原市の「柵は対象外」という回答は、階段に柵だけを付ける場合の話です。
単独で柵を付けるのか、対象工事に伴って付けるのか。この違いを理由書と見積書で示せるかどうかが分かれ目になります。
「支えるための棒」として設計し直せないかを考えてください
泉佐野市の回答は、柵の代わりとして手すりを設置する場合を対象外にしています。ただしこれは、期待している機能が柵だからです。
同じ場所に、歩くときに握って体を支えるための手すりを付けるのなら、それは手すりです。高さ、太さ、握れる形かどうかが、その説明を裏づけます。
相模原市は手すりの高さについて、正面の壁までが50cm以下と狭い場合はH=900だと立ち上がりには役立たない、腕の力があれば高くしてもよいが、正面の手すりで立ち上がるには低い位置に付けるほうが有効とされている、といった具体的な助言まで出しています。
握って使う設計になっているか。ここを業者と詰めておくと、判定でも通りやすくなります。
理由書に書くこと(ここで結果が変わります)
「条件つき」の工事を分けているのは、住宅改修が必要な理由書です。同じ工事が、理由書の中身で対象になったり、ならなかったりします。この工事で書いておきたいのは次の点です。
- その場所を歩くとき、どの手で、どこを握って体を支えるのか
- 落下を止める目的ではなく、移動を支える目的であること
- スロープなどに付ける場合は、本体の工事とセットであることを明記
理由書を誰が作るのか、何を書くのかは住宅改修が必要な理由書は誰が書くのかにまとめています。
市の上乗せ制度でも、記載は見つかりませんでした
介護保険で対象外でも、市区町村の独自制度なら拾っていることがあります。実際、階段昇降機は24市区町村、浴槽の取りかえは37市区町村が公式ページに記載を持っていました。
しかしこの工事については、当サイトが公式ページで確認した300市区町村(うち独自制度があったのは145市区町村)のなかに、名指しの記載が見つかりませんでした。
✎ 私の調査メモ
これは調べ漏れではないと考えています。同じ調べ方で、階段昇降機や浴槽の取りかえは拾えているからです。拾えるものは拾えていて、この工事だけが出てこないという形です。
ただし0件は、その市に無いという証拠にはなりません。公式ページに書かれていないだけの場合があります。金額の大きい工事であれば、市の高齢福祉の窓口に一度だけ確認してから、自費で進めるかを決めてください。
お住まいの市の制度は市区町村別の介護リフォームのページで確認できます。
申請の順番(工事を始めるまえに)
! ここに注意
介護保険の住宅改修も市の上乗せ制度も、多くは工事を始めるまえの申請が必要です。順番を逃すと、対象の工事でも受け取れません。まず地域包括支援センター・ケアマネジャーに相談してください。
市の上乗せ制度には、介護保険と違って年度ごとの予算があるものがあります。予算に達すると、その年度は新たな申請を受け付けない市もあります。年度の後半に工事を考えている場合は、受付の状況を先に確認してください。
「工事のまえ」がなぜ決まりなのか(介護保険法施行規則第75条)と、先に工事をしてしまったときに例外が認められる場合があることは、住宅改修の「事前申請」の記事にまとめています。
業者選び(この規模なら、まず相談から)
この工事は、数万円で収まることが多いものです。介護保険の枠は工事費20万円まであるので、1か所だけで申請するより、家じゅうで必要な場所をまとめて一度に見てもらうほうが、書類の手間も減り、枠も活かせます。
※ 工事費が数万円で収まる小さな工事は、一括見積もりのサービスより、ケアマネジャー・地域包括支援センターの紹介や、地元の業者に直接たずねたほうが早いことがあります。浴室やトイレ、床の張り替えのように規模が大きくなる工事とあわせて考えるときに、複数社を比べてください。
無料・相談だけでもOK
家じゅうの気になる場所を、まとめて見てもらう
手すり・段差・浴室など、場所をまたいでまとめて相談できるリフォームの一括見積もりサービスです。介護保険や市の助成の申請に慣れた業者かどうかを、見積もりの場で確認できます。
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相談だけでも無料で、依頼する義務はありません。申込のあと、入力した電話番号に確認の電話が入ります。
申込のあと何が起きるか
フォームを送ると、まずリフォームガイドから電話で希望を確かめる連絡が入り、そのうえで会社を紹介する流れです。電話がつながらないと手続きが進まないので、出られる番号を入れてください。紹介された会社に依頼する義務はありません。
よくある質問
転落防止の柵に介護保険は使えますか?
使えません。相模原市の公式Q&Aは、2階からの転落防止のために階段に柵を取り付ける工事について、柵の設置は住宅改修の対象にはならないと回答しています。泉佐野市も、手すりとしてではなく柵の機能を期待して設置する場合は対象外だとしています。
スロープに付ける柵はどうですか?
対象になります。八王子市の手引きは、付帯して必要となる住宅改修として、スロープの設置に伴う転落や脱輪防止を目的とする柵や立ち上がりの設置を挙げています。対象になる工事に必要な部品として扱われるためです。
手すりとして付ければ対象になりますか?
歩くときに握って体を支えるためのものであれば対象になります。ただし泉佐野市は、柵の機能を期待して設置する場合は対象外だとしているため、握って使う設計になっているかを業者と詰めておく必要があります。
まとめ
- 介護保険での扱いは対象外。 落ちるのを止めるための柵は出ません。手すりとして体を支えるものが対象です
- 分かれ目は理由書。 同じ工事が、理由の書き方で結果を変えます
- 市の上乗せ制度でも、名指しの記載は見つかりませんでした。 ただし書かれていないだけの場合があります
- 申請は工事を始めるまえに。 着工したあとでは、対象の工事でも受け取れません
※本ページの制度情報は、相模原市・泉佐野市・八王子市の公式資料を2026年8月8日に確認したものです。市区町村の上乗せ制度に関する集計は、当サイトが2026年7月〜8月に300市区町村の公式ページで確認した記録にもとづきます。介護保険・自治体の制度は、年度や制度改正で変更されることがあります。対象になるかどうかの最終的な判断は市区町村にあります。申請の前に、かならず公式ページ・窓口でご確認ください。
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参考情報(出典)
このページの判定は、次の公式ページ・公式資料で確認しています。対象になるかどうかの最終的な判断は市区町村にあります。
- 介護保険 住宅改修のQ&A 令和6年4月改定版(相模原市)・確認日 2026年8月8日
- 介護保険住宅改修 Q&A 泉佐野市版(泉佐野市)・確認日 2026年8月8日
- 介護保険・高齢者自立支援 住宅改修の手引き(八王子市 福祉部介護保険課)・確認日 2026年8月8日
- 介護保険の住宅改修費支給(厚生労働省)
- 市区町村の上乗せ制度=当サイトが公式ページで確認した記録(300市区町村)。各市の出典URLと確認日は市区町村別の介護リフォームのページに記載しています
家の補助金ナビ編集部
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このページの判定は、相模原市・泉佐野市・八王子市が公開している公式のQ&A・手引きを取得し、逐語で確認したものです。介護保険・自治体の制度は年度や制度改正で変わります。制度の変更・誤りを見つけた場合は運営者情報の連絡先までお知らせください。
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